新型コロナウイルス/入院患者と家族に安心を 大船渡病院が「ビデオ面会」を開始 予約を受け付け中 

▲ 大船渡病院で入院患者と家族がタブレット端末で顔を合わせる「ビデオ面会」を受け付け中(写真はデモンストレーション)

 大船渡市大船渡町の県立大船渡病院(渕向透院長)は、新型コロナウイルス感染症対策に伴う入院患者の面会制限が続いていることを受け、オンラインを利用し、患者と家族がタブレット端末を通じて顔を合わせられる「ビデオ面会」を開始した。現在、利用予約を受け付けており、同院では「患者さまとご家族にとっての安心につながれば」と利用を呼びかけている。

 

 同院では、昨年冬にインフルエンザ流行を受けて入院患者との面会制限を実施。その後は、新型ウイルスの感染防止対策として制限を継続しており、一時期は家族の代表1人のみが面会できる緩和期間もあったものの、昨年11月13日以降は面会を禁止する措置をとっている。
 県内では同11月以降、複数のクラスター(感染者集団)が発生するなど新型ウイルスの感染が拡大。同院によると当面は面会禁止が続く見通しで、入院患者、家族のそれぞれからは「顔を見たい」との要望が寄せられてきたという。
 現場ではこうした思いに応えたいと、院内で構成する認知症ケア委員会がかねてから働きかけてきたビデオ面会の実施に向けて検討。昨年夏にはデモンストレーションを行うなど、施行に向けた準備を進めてきた。
 ビデオ面会は、院内の通信環境を利用し、2台のタブレット端末で病棟にいる患者と同院を訪れた家族(1回につき2人まで)を結ぶもの。画面越しに互いの顔を見て会話ができる。
 面会時は入院患者、家族それぞれに病院職員がつき、端末の操作を担当。面会時間は5分程度で、事前の説明や終了後のアンケート記入も含め、1回の面会にかかる家族の所要時間は30分ほどとなる。面会は1家族につき週に1回まで。
 事前予約制で、面会時間は祝日を除く月~金曜日の午後1時30分~4時。予約は希望日の前日までに、30分単位で1日5家族を上限に受け付ける。すでに予約が入っていたり、患者の体調や治療などのために希望に沿えない場合もある。
 面会当日は、家族が予約時間の5分前までに来院。検温と問診票への記入を行ったあと、1階の医療情報コーナーで面会する。検温で37度以上の発熱がある場合は利用不可。
 サービスは今月20日に開始し、入院患者やその家族らに周知。同院によると、21日までにまだ予約は入っていないという。
 ビデオ面会の施行に携わってきた同院の認知症看護認定看護師・志田公紀さん(33)は「特にご高齢の患者さまの中には、家族と会えないさみしさを感じている方もいらっしゃる。ビデオ面会でこうした思いを緩和し、患者さまとご家族、互いが安心できるよう支援したい」と話し、利用を呼びかけている。
 ビデオ面会の予約、問い合わせは同院(℡26・1111)へ。