三陸パークゴルフ場が人気 坂本さん(陸前高田)が独自に整備 健康づくりと交流の場に

▲ 坂本さんが独自に整備した三陸パークゴルフ場

食事や休憩場所として利用されているクラブハウス

 陸前高田市高田町でサカモト自動車を営む坂本正雄さん(71)が出身地の大船渡市三陸町越喜来の三陸インターチェンジ付近に独自に整備した三陸パークゴルフ場が、市民に親しまれている。冬も営業しており、新型コロナウイルス感染拡大による自粛生活での運動不足解消や高齢者らの健康づくり、交流の場として利用されている。 23日は地元三陸町や釜石市の高齢者約20人がコースを回り、はつらつとプレーした。
 オーナーを務める坂本さんは、スギの山だった実家のそばの土地を利用し、東日本大震災前の平成22年12月から個人でスギの伐採を始めた。芝を張り、7年がかりで平成29年に同パークゴルフ場が完成。半年間は無料開放し、同30年5月に正式オープンした。
 現在は「欅(けやき)コース」と「柿コース」の2コース(各9ホール)で営業している。上り、下りや障害物の岩場など、もともとの自然を生かし、変化に富んだコースで、坂本さんがカップや各ホールの旗も自作。今でも日常的に芝を手入れし、時々カップの位置を変えるなど、常連の利用者も飽きないコース作りに工夫を凝らす。
 営業時間は午前9時30分~午後4時で、1日600円で利用できる。クラブとボールの貸し出し(中学生以上400円、小学生以下300円)も行っている。
 地域行事や交流会などでも利用され、定期的に開かれる2人一組の「ペア・マッチ」も人気。新型コロナの流行前は県外からも多くの人が訪れていた。坂本さんは「スコア関係なく楽しんでもらい、コミュニケーションやさらなる交流人口拡大の場にしていきたい」と話す。
 毎週のように訪れ、練習している大船渡市猪川町の鈴木和雄さん(68)は「健康づくりのために通っている。芝生なので歩きやすく、ゴルフとは違って遠くまで動かなくていい。初心者、子どもでもプレーでき、コースに傾斜などの変化があるので思い通りに転がらないのもまた楽しい。きれいに整備してくれてありがたい」と感謝する。
 コースに隣接整備した木造のクラブハウスには、坂本さんと旧越喜来中の同級生の神津房子さん(71)=同町越喜来=が常駐。食事や休憩場所として利用され、神津さんが手作りするカレーライスや天ぷらそば・うどん(各600円)など10種類ほどのメニューを味わえる。
 神津さんは「楽しんでプレーしている姿を見て自分の生きがいにもなっている。(利用者同士が)友達になれる憩いの場として、家庭的な味を届けていきたい」とほほ笑む。
 天候などにより不定休で、予約不要。問い合わせは同パークゴルフ場(℡43・1557)へ。