勝久会が「えるぼし」企業に 岩手労働局が認定 女性活躍推進基準全て達成

▲ 「えるぼし認定企業」の交付を喜ぶ勝久会の女性職員

 大船渡市の医療法人勝久会(木川田典彌理事長)は27日までに、厚生労働省岩手労働局(小鹿昌也局長)から女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定企業」の交付を受けた。採用や継続就業、多様なキャリア登用など5項目の基準をすべて達成し、気仙の企業では初の認定となった。同法人では、さらなる人材育成への意欲を示している。
 同法に合わせた行動計画策定の届け出を行った事業主のうち、特に取り組みの実施状況が優良な事業主は、各都道府県労働局への申請により、厚生労働大臣の認定を受けられる。認定マークを商品や広告に利用でき、女性活躍推進のPRが図られ、さらなる優良な人材確保や企業イメージ向上が期待される。
 認定にあたっては▽採用▽継続就業▽労働時間等の働き方▽管理職比率▽多様なキャリアコース──の5項目を設定。今回、勝久会を含む県内3企業が認定を受け、いずれも全項目で基準を上回った。県内の累計認定企業数は17社となった。
 勝久会は、気仙両市で介護老人保健福祉施設や医療施設、小規模多機能ホームなどを運営。昨年12月18日時点での職員数は490人(男性177人、女性313人)となっている。
 基準で40%以上が求められる女性労働者の割合は61・9%。正社員の基幹的な雇用管理区分(介護福祉士・介護職員)でも、54・2%に上る。医療・福祉分野における女性労働者の平均勤続勤務年数は8・6年だが、勝久会では14年。「法定時間外労働が各月とも45時間未満」も達成している。
 さらに、管理職に占める女性の割合は、産業平均では42・2%なのに対し、56・6%を占める。女性の非正規社員から正社員への転換や、おおむね30歳以上の女性を正社員として中途採用する取り組みも実践してきた。
 女性ならではの「気づき」を業務に反映する環境づくりに加え、男女問わず「多職種協働のチームプレー」を重視。子育てなどに対応した勤務シフトに加え、男性の育児休業取得の動きも広がる。
 昨年2月に臨時職員から正社員となった法人事務局所属の及川詩央里さん(25)は「経験が浅いことへの不安が自然に払拭(ふっしょく)されるように、先輩方からアドバイスを受けられる。長く働くことができ、家庭を持っても活躍できる職場であると実感している」と話す。
 勝久会では「今回の認定を弾みとして、さらなる人材確保や人材育成も進めたい。女性が活躍できるのは、男性側のフォローや理解があってこそ。職場や家庭内の働き方を考える良い機会にもなってほしい」としている。