「ありがとう」伝え合う 高田病院が窓に返礼メッセージ 感謝の言葉贈った高田小へ

▲ 高田病院の窓に張られた返礼のメッセージ

 陸前高田市高田町の県立高田病院(田畑潔院長)は2日、向かいあって立つ高田小学校(金野美惠子校長、児童173人)がこのほど医療従事者への感謝のメッセージを校舎の窓に張ったことを受け、同院2階の窓に「ありがとう」という返礼メッセージを張った。新型コロナウイルスの収束が見通せない中、病院関係者は「地域とのつながりを強く感じとる機会となった。みなさんの期待に応えたい」と誓いも新たにしている。

 

 同校の6年生は、コロナ禍の中で医療業務に臨む同院の従業員らへ感謝を伝えようと、模造紙に「医療従事者のみなさんありがとう。共に頑張っていきましょう。」というメッセージを書き、先月29日に校舎2階の窓に張り出した。道路を挟んで向かいにある病院側から見ることができ、子どもたちからのサプライズに、病院関係者らは驚きと喜びを表した。
 田畑院長は、校舎の窓に張られたメッセージを初めて見た時の印象について「とてもありがたい話で、職員一同勇気づけられた」と振り返る。
 今月1日には田畑院長が同校を訪れ、お礼の手紙を代表児童に贈った。手紙には「励ましのエールありがとうございます」「必ず感染症は終息します。周りの人を守っていくため、共に頑張りましょう」などとつづられており、知らせを受けた6年生が笑顔を広げた。
 また、病院では子どもたちからのメッセージに対する返礼のメッセージも用意。2日午前に「ありがとう」と同院2階談話室の窓ガラスに張り、同校の子どもたちや教職員を驚かせた。
 金野校長は「直接会えなくても気持ちを伝え合えたという事実に感動した。病院のみなさんの気持ちは、きっと子どもたちにも届いたと思う」と語る。
 国内で新型ウイルスの感染拡大が続く中、同院では入院患者への面会禁止や、出入りする人たちの検温と手指消毒などの対策をとっている。インフルエンザの患者が増える時期とも重なり、張り詰めた状況が続いている。
 田畑院長は「昨年は高田小の1年生からアマビエの置物もいただいた。子どもたちも、自由な時間を制限されている中で頑張っていると思う。ウイルスが収束するまで、私たちもめげずに今後の業務に当たっていきたい」と意気込んでいた。