観光農園 「いちごパーク」完成 9日に待望オープン 大洋会が矢作町に整備 

▲ 広いハウスでイチゴ狩りを楽しめる

 大船渡市の社会福祉法人・大洋会(木川田典彌理事長)が陸前高田市矢作町に整備したイチゴの観光農園「いちごパーク」は、9日(火)にオープンする。同法人が運営する障害者施設利用者の仕事創出や同市の交流人口拡大、観光振興に寄与しようと立ち上げた新規事業。ハウス内では約1万2000株のイチゴが育てられており、赤く染まった大粒の実が鈴なりとなっている。新型コロナウイルス感染症対策を講じ、安全・安心にイチゴ狩りを楽しめる場を目指す。

 

交流人口拡大へ来園PR

 

利用者らが丹精込めて育てたイチゴ

 建設地は、矢作小の旧仮設グラウンドの私有地で、敷地は約5000平方㍍。先行して育苗用のハウスを整備し、昨年3月に親株600株を仕入れて子苗を増やしてきた。
 育苗ハウス隣の観光農園は、約2400平方㍍の4連棟ハウスで、昨年6月に着工、同9月に完成。土耕栽培よりも作業負担の軽い高設栽培を採用し、一部通路は車いすの人でも通れるよう広めに確保した。室内の温度や湿度などを一元管理し、液肥を自動で供給する設備も導入した。
 育てているのは「紅ほっぺ」「やよいひめ」など6品種。昨秋の定植後、比較的順調に生育し、将来的には1万4000株の栽培を目指す。
 運営は矢作町の就労継続支援B型事業所「せせらぎ」(米田智所長)が担う。2〜5人の利用者が職員とともに管理作業に当たり、市内の障害者1人を専従スタッフとして雇用した。敷地内には平屋建ての作業棟も建て、直売スペースや障害者用トイレなどを設けた。
 利用者の一人は「通路が広くて働きやすい。たくさんの人においしいイチゴを食べてほしい」と呼びかける。
 開園は5月末までで、来年以降は毎年1〜5月の営業を想定する。来園者数は年間3600人を目標に掲げ、新型ウイルス感染症対策も徹底する。
 営業時間は午前10時〜午後3時で、月曜定休(祝日は営業)。入場料は大人(中学生以上)2000円、小学生1500円、幼児(3歳以上)1000円、3歳未満無料。30分間イチゴ狩りを食べ放題で楽しめる。今月中はオープンを記念し、1割引きで受け入れる。
 米田所長は「未経験のことばかりで不安が大きかった中、こうして施設が形となりホッとしている。一方でスタートラインに立っただけでこれからが本番。地域内外の人においしくイチゴを食べてもらえれば熱心に働く利用者のやりがいにつながる。少しずつとなるだろうが、陸前高田の観光振興などにも貢献していきたい」と意気込む。
 利用予約は前日まで。問い合わせは、せせらぎ(℡55・1890)へ。