40年余の活動に光 杉下さん(住田)が交通栄誉章「緑十字銀章」受賞

▲ 杉下さん㊧が吉田署長㊥に受賞を報告

 長年にわたって交通安全活動に従事しているとして、住田町世田米の杉下吉身さん(78)にこのほど、一般財団法人全日本交通安全協会と警察庁から交通栄誉章「緑十字銀章」が贈られた。杉下さんが会長を務める気仙地区交通安全協会も交通事故防止活動に積極的に取り組んでおり、全日本交通安全協会から「優良交通安全協会」として表彰を受けた。

 

気仙地区交安協も表彰受ける

 

 交通栄誉章は、長年にわたって交通安全活動に尽力し、抜群の功績などがあった交通安全功労者、優良安全運転管理者、優良運転者に対して、功績に応じて「緑十字金章」「同銀章」「同銅章」が贈られる。
 杉下さんは、36歳で交通安全協会世田米分会に入会。以来40年以上もの間、地域の交通安全推進のために尽力。現在は同分会長と気仙地区交通安全協会長を務めている。
 各季節運動において、ライト早め点灯やシートベルト・チャイルドシート着用の促進など、各種交通安全啓発活動を展開しているほか、新入学児童、幼児に対する交通安全教室、小学生対象の自転車教室なども実施してきており、平成21年9月には緑十字銅章を受賞した。
 杉下さんの地元・住田町では、29年12月に死亡事故が発生して以降、ゼロ日数を継続。関係機関、団体が協力しながら地域の交通安全を積極的に推進しており、昨年9月11日には交通死亡事故ゼロ1000日に。その後も死亡事故は発生せず、同12月16日で丸3年という大台に達した。
 一方、気仙地区交通安全協会では、各分会がそれぞれの地域状況に合わせて活動を行っていることが評価され、優良交通安全協会として表彰された。
 本年度の緑十字銀章は全国では401人、本県では7人、優良交通安全協会は全国で59安協、本県では気仙地区安協のみとなった。
 例年ならば東京都で開かれる交通安全国民運動中央大会本会議(全日本交通安全協会、警察庁主催)で表彰されるが、今回の大会は新型コロナウイルスの影響で中止となったため、今月4日に盛岡市のエスポワールいわてで伝達式を開催。杉下さんも出席し、県警察本部の大濱健志本部長から伝達を受けた。
 杉下さんは、気仙地区安協の門間修事務局長とともに9日に大船渡警察署(吉田知明署長)を訪問し、吉田署長や村上裕樹交通課長に受賞を報告。
 吉田署長は「このたびの栄えある受賞は、長年にわたる交通安全活動の功績が認められたものであり、気仙地区の交通事故が1件でも減少するよう、今後ますますのご活躍を期待します」と地道な活動をたたえ、杉下さんは「続けてきてよかった」と喜びを口にした。
 現在は、新型ウイルスの影響でさまざまな交通安全活動にも制限がかかるが、杉下さんは「街頭活動だけはやめずに、感染対策を取りながら継続させていかないと」と意欲をみせている。