新型コロナウイルス/医療従事者は3月下旬で調整 県 ワクチンの集団接種  

 県は10日に県庁で開かれた第3回新型コロナウイルス感染症対策にかかる県市町村連絡会議および令和3年度県当初予算等説明会において、新型ウイルスのワクチン接種に関する今後の予定などを公表した。現時点で国から県にワクチン供給量などの見通しは示されていないが、県は医療従事者を対象とした集団接種を3月20(土)、21(日)、27(土)、28(日)の4日間で調整していることを明らかにした。高齢者をはじめとした住民向け接種は、早くても4月1日(木)以降となる見通しとしている。

 

住民向けは4月以降に

 

 連絡会議と説明会は、県内各市町村の関係部局職員らに対し、ウェブ会議形式で開催。ワクチン接種に関しては、県内における接種対象者の範囲と見込み数、各市町村に対するワクチン用超低温冷凍庫の割り当てスケジュール、今後の予定などを提示した。
 国は全国民分のワクチン数量の確保を目指しているが、供給の状況に応じた一定の接種順位に沿って行う方針。順番は①医療従事者②高齢者(3年度中に65歳以上に達する人)③高齢者以外で基礎疾患を有する人や高齢者施設等の従事者④それ以外の人──とし、接種回数は2回になる見込み。妊婦の優先や子どもを接種対象とするかなどは、ワクチンの安全性、有効性の情報などをみながら検討していくとしている。
 県は国の方針に沿って接種を進めていく考え。まずは来月、県が医療従事者向けに実施する。対象となるのは、新型ウイルス患者(感染疑いを含む)に直接医療を提供する施設の医療従事者で、患者と接する機会がある救急隊員や保健所職員らも含む。対象は約4万5000人となる見込み。
 集団接種は医療従事者らの要望を受け、土、日曜日に当たる3月20、21、27、28の4日間実施。会場には県立高校の使用も視野に入れ、県医師会や管内医療機関と調整を図りながら準備を進めている。
 その後の高齢者をはじめとした住民向け接種は市町村が担い、4月以降の実施を予定。優先順2番目の高齢者は、約41万4000人になると見込んでいる。
 同3番目は、基礎疾患を有する者、高齢者施設等の従事者、60~64歳の者。基礎疾患を有する者に該当するのは、▽3年度中に65歳未満で、国が示す疾患(慢性の呼吸器の病気や心臓病、腎臓病など)を有して通院、入院している人▽基準(BMI30以上)を満たす肥満の人──のいずれかで、現時点で見込み数は把握できていないとしている。
 高齢者施設等の従事者は、約2万5000人の見込み。60~64歳は約8万7000人となる見通しで、ワクチンの供給量などによっては、基礎疾患を有する者と同時期に接種を行う。その後、ワクチンの供給量を踏まえ、それ以外の者の接種に入る。
 県は医療従事者向けの接種に備え、今月9日から県内九つの2次医療圏にある医療機関16カ所に1台ずつ、米国・ファイザーが製造するワクチン用超低温冷凍庫の配置を進めている。気仙では17日(水)に県立大船渡病院に届けられる予定。
 冷凍庫の設置は3月以降、各市町村にも拡大し、6月中までに県全体で計111台を配備する計画。気仙では、大船渡市に同院分と、4月、6月に1台ずつの計3台、陸前高田市には3月と5月に計2台、住田町には3月に1台が割り当てられている。このほか、武田・モデルナが製造するワクチン用の冷凍庫についても、人口規模に応じて追加割り当てをする予定という。
 4月以降に予定する住民向け接種は、過去に例のない大規模なものになる見込み。県は各市町村の接種体制確保の進行管理に努め、支援体制の構築を図っていくとしている。