3月28日に一部開業  ワタミの農業テーマパーク モデルエリアでバーベキュー

▲ 温室ハウスなどの整備が進むワタミオーガニックランドのモデルエリア

 外食チェーン大手のワタミ㈱(本社・東京都、渡邉美樹代表取締役会長兼グループCEO)が陸前高田市気仙町に整備している農業テーマパーク「ワタミオーガニックランド」は、3月28日(日)に一部開業する。先行整備しているモデルエリア(3・3㌶)でバーベキューや飲食の提供から始め、4月29日(木・祝)の同エリア本格オープン後は、野菜の収穫体験など順次サービスを拡充する。当初、開業日を計画していた3月11日(木)は内覧会を行う。

 建設地は、気仙川左岸の今泉北地区。モデルエリアの第1期工事は、昨年11月に着手した。
 3月の一部開業時は、地元食材を使った焼き肉バーガーやバーベキュー用食材、クレープ、ソフトクリームの提供などから始める。飲食提供用にトレーラーハウス1棟、キッチンカー1台を置き、移動可能なピザ窯を使ったピザ焼き体験も行う。
 温室ハウス(広さ約280平方㍍)は4棟整備。
 このうち休憩棟と位置づける1棟は一部開業時までに完成させ、雨天時などにバーベキューを楽しめる場として開放する。テーブル20台余りを設置し、最大約120人収容可能となっている。
残るハウスと菜園(露地栽培)エリアでは、ベビーリーフやナス、ピーマンなど15品目程度の栽培を計画。収穫体験は4月の本格オープン以降を予定している。
 芝生広場は今夏をめどに利用開始。インフォメーション棟では、有機食品などを販売する。
 エリア西側には、広さ約7000平方㍍のブドウ園を整備する。5月ごろから苗木約400本の栽培を始め、令和5年秋の収穫を見込む。来年は別エリアでも栽培し、6次産業化推進に向けたワイン醸造も構想している。
 モデルエリア内ではレストラン棟建設を計画していたが、新型コロナウイルスによる外食需要の落ち込みを踏まえ、感染状況やオープン後の利用状況、ニーズを見ながら建設の可能性を探っていく。
 オーガニックランドは、循環型社会、有機農業など「命のつながり」を学べる場をテーマにプロジェクト化。市が造成した約23㌶の広大な土地に20年かけて農場や加工施設、野外音楽堂、エネルギー生産・資源循環施設などを段階的に整えていく。
 野外音楽堂は来春の完成を目指し、最大で数万人を受け入れられる。設計は、高田町の「陸前高田アムウェイハウス まちの縁側」も手がけた世界的建築家の隈研吾氏が担当し、地元・気仙大工の技を感じられる特徴的な造りとする。
 ワタミオーガニックランド㈱(小出浩平代表取締役)経営企画担当の部谷文一さん(40)は「さまざまな人が集い、命や環境を考える場としていきたい。堅苦しくなく、幅広い世代が気軽に楽しめる体験型サービスを提供していく」と話している。