1万円分の「振興券」再配布へ 4月中旬の利用開始目指す 消費喚起策で全世帯に
令和3年2月19日付 1面
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補正予算案に計上
大船渡市は、新型コロナウイルスの新たな独自支援策をまとめ、17日に開会した市議会定例会に関連事業費を盛り込んだ補正予算案を提出した。市内全世帯を対象とする1万円分の「ふるさと振興券」事業を再び展開。昨年9月から10月にかけて配布し、住民や事業者から好評を博していた。加盟店の継続や新たな店舗の受け付けも行い、利用開始時期は4月中旬を見込む。
ふるさと振興券は、新型ウイルスの影響を大きく受けている飲食店や小売業、サービス業の売り上げ確保に向けた消費喚起が目的。昨年9月下旬にも、市内の約1万4720世帯を対象に、1世帯当たり1万円分(500円券20枚)を簡易書留で郵送した。
振興券を利用できる加盟店は386店舗に達した。飲食店や小売店、サービス業が対象で、理美容やガソリンスタンド、薬局など幅広い業種で対応。一方、スーパーやドラッグストア、ホームセンターなど、店舗面積が500平方㍍超の大型店は対象外とした。
各店舗が消費者から振興券を預かり、金融機関で換金した額は1億4407万3000円で、換金率は98%に。少なくとも240事業所以上で振興券による購入・サービスが行われ、家族で足を運びやすい飲食店や専門店が集積する商業施設、食品やガソリン、灯油を扱う店舗・事業所での利用が目立った。
市議会定例会に提出した一般会計補正予算案には、振興券発行事業費1億7000万円を計上。25日の議決を経て、前回と同様に大船渡商工会議所への委託を計画している。
現段階の予定では、議決後に再び加盟店の継続参加を確認するほか、新規の受け付けも行う。この間に振興券や加盟店を示すステッカーなどの印刷を進め、4月からの郵送、同中旬からの利用開始を目指す。利用期間は7月末までとなる見込み。
振興券は、前回分と混同しないように一部デザインを修正。加盟店の店舗対象要件などは、前回配布時と同じ。商議所が発行している地域商品券は換金時に3%の手数料を徴収するが、今回も振興券分は無料とする。
市商工港湾部の近江学部長は「加盟店からは『これまで来たことがない客が見えた』といった好評の声が寄せられ、住民の方々にとっても地元店の魅力を知るきっかけとなったのではないか。新型ウイルスの影響に苦しむ小規模事業者の支援につなげたい」と話している。
補正予算案にはこのほか、感染予防対策の充実に向けた事業費も計上。新型コロナウイルスワクチン接種事業は2億8051万円で▽予防接種の管理システムの改修▽接種券の印刷・発送▽相談体制の整備▽高齢者からの順次予防接種の実施──に充てる方針。
また、児童福祉施設環境整備事業として130万円も盛り込んだ。放課後児童クラブ末崎学童保育会「希望の丘」が運営する施設の手洗い場改修を行う方針で、年度内の完了を目指す。