ドッグラン整備の可能性探る 市と愛犬家の検討始動 管理のあり方など課題

▲ ドッグラン整備の可能性を探るワークショップがスタート

 陸前高田市内に犬を放して遊ばせられる広場「ドッグラン」を整備できないか検討する行政と愛犬家らによるワークショップ(WS)が、21日に始まった。まずは県内の施設を参考に、整備や管理のあり方などクリアすべき課題を共有。愛犬家からは「ぜひ整備してほしい」と求める声が多く聞かれ、関係者が慎重に実現の可能性を探っていく。
 ドッグランは、令和元年度の市政懇談会で市民から整備を求める発言があり、検討が始まった。同日のWSには、市内の愛犬家16人と市スポーツ交流推進室職員らが参加した。
 盛岡市や八幡平市など県内ドッグランの所有者、管理者、設備・入園料、営業時間などを確認。市側は、市有地に整備する場合、高田松原運動公園北側の未利用地約1600平方㍍を候補地の一つに提案し、整備費は概算で450万円程度と示した。
 懇談では、参加者が「誰が運営するかが一番重要な課題。民間会社がスタッフを雇い、管理・運営してもらうのが理想だが、難しければ愛犬家たちも協力することが出てくるのでは」「利用無料だと管理が行き届かなくなる。安全・安心に使えるよう常駐スタッフが必要。年会費制など検討していくべき」などと意見を出し合った。
 市は今後も愛犬家らとのWSを重ね、管理団体、整備地、設備、財源などを協議していく。採算・持続性を確保できる見通しとなれば実現に近づきそうだ。
 県警の嘱託警察犬指導手で、高田町の鈴木正夫さん(62)は「以前から地元にできてほしいと思っていたので、このような動きは非常にうれしい。今後もWSに参加する」と意欲を語った。
 小友町の佐藤隆悦さん(70)は「陸前高田にドッグランができれば、観光振興にもつながる。そのような視点から、行政に管理者になってほしい」と要望した。
 市地域振興部の阿部勝部長は「まだ白紙の状況。県内他施設を見ても、行政にできることは限界があり、愛犬家の皆さんとともに腰を据えた検討が必要だ」と展望する。