新型コロナウイルス/年末年始の帰省・旅行 8割が移動控える 県による第2回県民意識調査結果 健康管理などの実施割合低く

 県は、ソーシャルネットワークサービス・LINE(ライン)で実施した、新型コロナウイルスの感染対策に関する第2回県民意識調査の結果を公表した。県のLINE公式アカウントを利用する1万8556人が回答し、このうち8割が年末年始の帰省・旅行などを控えたことが分かった。また、マスク着用や手洗いなどの基本的な対策は前回調査(昨年12月)に続いて広く浸透している一方、定期的な健康管理、体調不良時の外出自粛などは実施率が低い状況となっていることが浮き彫りとなった。

 

マスク・手洗いは浸透

 

 意識調査は、県民一丸となった感染対策の徹底をさらに推進しようと、県の公式LINEアカウント「岩手県─新型コロナ対策パーソナルサポート」を活用して昨年12月に初めて実施した。第2回調査も公式アカウントの利用者に協力を呼びかけ、今月5~7日に調べた。
 年代や性別などの基本情報のほか、基本的な感染対策にかかる意識調査、直近1週間の行動サンプル調査を展開。有効回答数は、前回調査を7608人下回った。
 調査のうち、「今、実施している感染対策(複数回答)」(別図参照)で最も多かったのは「マスクの着用」の100%。次いで、「手洗い、アルコール消毒」が99%、「3密を伴う会合などの回避」と「せきエチケット」が85%となり、いずれも前回調査と同様、県民に広く浸透していることが確認できた。
 一方で、「定期的な体温測定などの健康管理」は68%、「体調不良時の外出自粛」は64%、「接触情報の記録」は54%と、前回調査に比べて1~5ポイント減少しており、相対的に実施割合が低い状況が続いている。「3密状況での会話や発声等の回避」は56%、「物に触れた指先で顔を触らない」は42%など、無意識のうちに行うものも低い傾向となった。
 家庭内で有効とされる「定期的な換気」は51%、「湿度調整」は45%、「同居者との使用するものの使い分け」は20%。これらの対策も、前回と同様に実施割合が低かった。
 「マスクの使用頻度」の質問で最も多かった回答は、「外出中は常にマスクを着用」の72%。「自宅を含め屋内外問わず常にマスクを着用」を加えると78%となり、前回から3ポイント増えた。また、99%が「外出中、人と会話をする際には常にマスクを着用」としており、感染対策としての意識が非常に高い結果となった。
 「マスクの着脱時に気を付けていること(複数回答)」の問いには、「顔とマスクの隙間ができないように着用」が76%(前回比8ポイント増)、「ひものみを持って本体部分に触れない」が48%(同6ポイント増)などと、前回調査と比較して着脱方法の実施割合が増加した。
 一方、「特に気を付けていることはない」は12%(同7ポイント減)にとどまり、常時マスクの着用とともに、着脱方法への理解も徐々に浸透していると推察される。
 「年末年始の感染対策」に関する質問では、「帰省・旅行を控えた」が83%。「帰省・旅行をした」は17%で、このうち76%が県内での移動だった。
 帰省・旅行をした際の感染対策では、「他者との接触を控えた(親族を含む)」が54%となるなど、県からの呼びかけ等に協力した県民が多かったことがうかがえた。
 「緊急事態宣言下における感染対策」に関しては、「前回以上に対策」が22%、「前回と同程度」が67%と、岩手県は宣言対象地域ではないものの、89%が継続的に感染対策を行っていることが分かった。一方、「前回よりも簡略化」は7%、「特別な対策は講じていない」は5%と、一部では関心や意識の低下もみられた。
 県は、意識調査の結果をLINEの公式アカウントや県ホームページに掲載。今回は全国初の取り組みとして、直近1週間における行動リスクの調査結果を踏まえ、希望者にはそれぞれのリスク層に沿った個別の注意喚起メッセージを配信した。
 調査の結果は、県民の感染対策に対する意識変容・行動変容などに役立てていく。