一般会計は48億5000万円 現年度当初比で3%減 令和3年度予算案を発表

 住田町は1日、令和3年度の各種会計当初予算案を発表した。一般会計は48億5000万円で、現年度当初比で3%の減。応急仮設住宅本町団地(世田米)撤去後の跡地利活用として、敷地内へのコワーキングスペースや震災関連の展示スペースを整備する事業などが新たに盛り込まれた。

 

 3年度当初予算の総額は、現年度当初比2・8%減の65億9430万円。このうち4特別会計の合計は17億4430万円で、現年度当初を2・1%下回った。
 一般会計の歳入は、68・9%が依存財源。予算額で最も多いのは地方交付税の23億2000万円(現年度当初比9・4%増)で、繰入金7億3164万円(同3・6%減)、町税4億6921万円(同3・4%減)、町債3億2780万円(同50・3%減)と続く。
 歳出の目的別内訳で最も多いのは民生費の11億6668万円(同5・2%増)。以下、総務費8億4154万円(同22・4%増)、公債費7億2444万円(同6・8増)、教育費5億1230万円(同32・6%減)などとなっている。
 主な歳出をみると、本町団地撤去後にコワーキングスペース、オンラインを利用したイベントスペース、スタディースペースを整備する「仕事・学びの場創出」に9781万円を計上。学生や若者世代が仕事・学びを通して多種多様な人材とつながることのできる場を提供し、そこで生まれる新たな価値観を若者定住率向上と関係人口拡大につなげようという新規事業で、敷地内には住田型木造仮設住宅の実物も1棟再現する。
 これを震災関連の展示スペースとし、写真や記録などを展示して町が震災後に取り組んできた後方支援の内容を紹介するとともに、震災を風化させないためのレガシーとしても位置づける。整備費用の財源として企業版ふるさと納税も募集することとしており、関連経費と合わせて計上した。
 このほか、応急仮設住宅中上団地(下有住)の現存仮設住宅(48棟)解体費用として5985万円を盛り込んでおり、現在、跡地の利活用方法を地域と協議している。
 特別会計は国民健康保険が6億3965万円(同5・6%減)、介護保険(保険事業勘定)が10億2405万円(同0・4%減)、同(介護サービス事業勘定)が151万円(同41・8%減)、後期高齢者医療が7910万円(同7・9%増)。
 公営企業会計のうち、簡易水道事業は収益的収入が1億7296万円(同0・7%減)、同支出が1億4792万円(同3・5%減)。資本的収入は1億900万円(同7・0%減)、同支出は1億3709万円(同7・9%減)。
 下水道事業は収益的収入が1億5384万円(同15・5%減)、同支出が1億5273万円(同1・5%増)で、資本的収入は3665万円(同13・3%減)、同支出は3668万円(同18・4%減)。
 新年度は、昨年5月に策定した町総合計画の計画期間2年目。同計画に基づく事業を着実に推進していく段階と位置づけており、新年度事業の大部分は継続実施を基本としている。
 同町の財政は比較的健全な状況にあるが、新型コロナウイルスの拡大に伴う歳入の減少、経常収支比率の上昇を課題としたうえで、予算を編成。歳出予算のむだの洗い出しを行った。
 新型ウイルス関連予算については、当初予算段階では消耗品など最小規模にとどめており、感染症対策事業は補正での予算措置を予定している。
各種予算案は2日開会の町議会定例会に提案される。