新年度予算案など可決 町議会3月定例会最終本会議 仮設跡地利活用事業費も計上

▲ 新年度予算はじめ全議案を可決した最終本会議

 住田町議会3月定例会は12日、最終本会議が開かれ、令和3年度各種会計予算案など全22議案を可決した。一般会計予算は48億5000万円で、現年度当初比3%の減。予算では応急仮設住宅本町団地(世田米)の解体後、敷地内にコワーキングスペースや東日本大震災関連の展示スペースを整備する新規事業などを盛り込んでいる。

 

 可決されたのは、予算審査特別委員会(委員長・佐々木信一議員)に審議を付託した一般会計、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の各特別会計と、簡易水道、下水道の両事業会計に加え、▽町議会議員および町長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例▽国民健康保険条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例▽介護保険条例の一部を改正する条例▽町営住宅の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例▽辺地に係る公共的施設の総合整備計画の策定──など22議案。
 予算案のうち、各種特別会計の合計は17億4430万円で、現年度当初比を2・1%下回った。一般会計を含む総額は65億9430万円で、同2・8%減となった。
 一般会計のうち、働き方分野の「仕事・学びの場創出」事業は、本町団地撤去後の跡地利活用として学生や若者世代が仕事・学びを通して多種多様な人材とつながることのできる場を提供し、そこで生まれる新たな価値観を若者定住率向上と関係人口拡大につなげようとの事業。敷地内に住田型木造仮設住宅の実物1棟も再現してこれを震災関連の展示スペースとし、写真や記録などを展示し、町の後方支援の取り組みを紹介するとともに、震災を風化させないためのレガシーとしても位置付ける。
 教育分野では、住田高校魅力化事業の中で新たに同校魅力化構想の策定を計画しており、健康分野では新分野の地域おこし協力隊(ナースプロジェクト)設置を盛り込んだ。
 賛成討論では、水野正勝委員が「限られた予算、人員、体制の中、かつて経験のない未知の感染症と向き合い、感染防止対策や町独自の経済対策などの施策に取り組みながら、従来からのまちの課題である医食住の三つの柱、人口減少、少子高齢化、森林・林業日本一のまちづくりに誠心誠意取り組むものと捉えており、あらゆる施策を吟味、精査して優先度に応じた予算配分がなされたものであると解釈している」などと評価。反対討論はなく、予算案はすべて、全員賛成で可決となった。
 総務教民常任委(委員長・佐々木春一議員)に付託された請願「安全・安心の医療・介護の実現と国民のいのちと健康を守るための請願」は賛成多数で採択された。
 本会議終了後には、本年度で退職する横澤則子農政課長、伊藤豊彦教育次長がそれぞれあいさつ。これまでの職員生活を振り返りながら感謝の言葉を述べた。