自然豊かな陸前高田を 審議会が修正案答申 月内に環境基本計画策定へ
令和3年3月26日付 1面

陸前高田市環境審議会(会長・小山公喜気仙川漁協組合長、委員13人)は25日、同市からの諮問で審議した同市環境基本計画案(令和3~12年度)について答申した。これを受け、市は今月中に計画を策定し、新年度から豊かな自然環境の保全、循環型社会の構築に向けた各種施策に取り組む。
審議会は関係団体代表や有識者らで構成。今月中旬、本年度2回目の会合を開き、計画案に関する意見を交わした。25日は、小山会長が市役所を訪れ、戸羽太市長に審議結果を反映させた修正案を答申書として提出した。
同計画は、まちづくりの指針となる市まちづくり総合計画(平成31年度~令和10年度)の部門別計画として、市民や事業者、市が一体となって環境の保全に効果的な取り組みを行うための方針を定めるもの。市は同計画策定推進委員会やパブリックコメントを経て、計画案をまとめた。
目指すべき環境像として「山を育て/川を守り/きれいな海を/明日へつなげる/陸前高田」を掲げる。基本目標は▽健康と安心・安全の実現▽人と自然の共生▽循環型社会の構築▽環境保全活動への参加──の4項目を設けている。
項目ごとに基本施策を設定し、関連するSDGs(持続可能な開発目標)の目標やターゲットも掲げる。環境指標については、まちづくり総合計画との整合を図る観点から、総合計画前期基本計画最終年度の令和5年度を目標年次とし、平成31年度(令和元年度)の値からの向上や改善を目指している。
具体的には、上水道普及率は目標年次で93・9%(平成31年度93・3%)、市有林と民有林合わせた再造林率20%以上(同9・5%)、新エネルギー推進事業補助件数を世帯数で割った再生可能エネルギー比率10%以上(同8・3%)などとしている。
同審議会は毎年、市がまとめる年次報告書の報告を受け、計画の進ちょく状況を点検・評価する。市は審議会の審議を踏まえ、随時計画や施策の見直しを行うこととしている。
戸羽市長は「環境分野の課題は行政だけで解決できるものではなく、地域や市民と一緒に取り組んでいかなければいけない。次の世代に陸前高田の自然環境をつないでいくため、市民一人一人に保全に向けた施策にご協力してもらえるよう呼びかけに努めたい」と述べた。