公共料金 値上げ続々 4月分から改定 気仙広域のし尿収集など
令和3年3月30日付 1面
新年度が始まる4月1日(木)から、住民生活に身近な公共料金の改定が行われる。大船渡、陸前高田、住田の3市町で構成する気仙広域連合は、し尿収集運搬手数料を10%程度引き上げる。大船渡市では火葬炉使用料を見直し、市民だけでなく、同町をはじめ市外住民の利用分も改定。水道料金は新型コロナウイルスの影響などを考慮して実施時期を引き延ばしていたが、来月支払い分から平均19・9%値上げとなる。
大船渡市は火葬、水道も
し尿収集料金の改定は、委託業務の原価割れが続く現状を踏まえた対応。昨年11月の気仙広域連合議会で改定案が可決された。
50㍑までごとの収集運搬手数料は、4月1日実施分から新料金となり、現行の336円から34円値上げして370円に。利用者負担額は、従来と同額の処分手数料10円を加えた380円で、1回の収集量が200㍑以下の場合、従来の1384円から1520円となる。
平均年間負担額は、約2000円の増加となる見込み。消費税増税以外での値上げは、平成9年以来となる。
大船渡市の火葬炉使用料は、市内に住民票がある12歳以上の人が死亡した際には1万円(11歳以下は7000円)、市外は1万5000円(同1万円)だった。改定により、市内分は1万2000円(11歳以下は8400円)、市外は3万円(同2万円)となり、4月1日実施分から適用となる。
火葬場の費用は市財源でまかなっている中、市外の方々には費用への応分の負担を求める観点から、値上げ幅に差をつけた。1件当たりの火葬経費は、3万円を超えているという。
令和元年における普通火葬炉の利用は706件で、このうち市外は88件。市外は、火葬場がない住田町の住民が大半を占める。
おおふなと斎苑は、他市に比べて使用料が低く、運営開始から20年以上が経過して今後は施設整備の修繕や更新に多額の費用が見込まれる中、これまでも議会側が見直しを提言していた。昨年12月の市議会定例会で、市当局が提案した条例一部改正が議決された。
市水道料金は、4月に銀行口座などから引き落とされる3月使用分から適用。今後の厳しい財政状況を見据え、基本料金やメーター使用料などを現行から平均19・9%値上げする。
当初は昨年7月からとしていたが、新型コロナウイルスの影響が広く及んでいる現状を考慮。昨年6月に、市議会で増額改定時期の延長議案が可決された。
改定は3月使用分の検針からが対象で、水道料金の基本料金と超過料金、メーター使用料が対象。一般家庭での平均使用水量(口径20㍉、1カ月当たりの使用水量16立方㍍)の場合、現行は2833円だが、改定後は3394円となる。
これまで、水道の使用目的に応じ、家事用や団体用、営業用などの用途別に基本料金と超過料金が区別されていた。受益者負担公平性の原則から、新たに用途別料金の一部で、設置されている水道メーターの口径で料金を区分する「口径別料金」を導入する。
このほか、盛川河川敷公園の高校生以下の利用料を引き上げる。少年野球場と多目的広場の高校生以下1時間当たりの利用料金は現行200円だが、4月からは300円となる。
値上げラッシュの一方、大船渡市では、65歳以上が対象となる第1号被保険者の介護保険料(基準月額、3~5年度)が5280円となり、現行よりも200円の減額に。介護給付費準備基金を取り崩し、初めて前期保険料よりも抑えた。
陸前高田市も、現行から200円減の6000円となる。住田町は6300円で、現行基準額を据え置く。
大船渡市の火葬炉使用料、水道料金の改定料金は別掲。