地域の特色生かす採火に 東京パラリンピック 聖火フェス 気仙でも 8月に各市町で

▲ パラリンピック聖火フェスティバルの日程が決まり、大船渡市では市民制作の竹灯ろうからの採火を予定(昨年のキャッセン海灯フェスタ)

 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は3月31日、8月の東京2020パラリンピック聖火リレーにおける聖火フェスティバルの詳細などを発表した。岩手県では同月12日(木)〜16日(月)に、全33市町村での採火や盛岡市での集火などを予定。気仙3市町でもそれぞれの地域の特色を生かした場で採火が行われ、全国から集められた聖火が同24日(火)のパラリンピック開会式でともされることとなる。

 

 パラリンピックは当初、昨年の8月27日〜9月6日に予定されていたが、全世界における新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、1年延期に。今年8月24日〜9月5日(日)の日程に変更となった。
 延期に伴い、当初予定されていた聖火リレーなどの関連行事も取りやめとなり、今回、再調整後の新たな日程が公表された。
 聖火フェスティバルは、聖火リレーの実施に伴って採火や聖火の訪問展示などを行うもので、47都道府県、880余りの市区町村が会場となる。
 発表によると、パラリンピックの競技会場がない岩手など43道府県では8月12〜16日に開催。岩手では、期間中に33市町村でそれぞれ採火が行われ、最終日に盛岡市内のショッピングモール屋外駐車場で集火後、東京へ送り出す予定。奥州市、野田村、一戸町では、聖火ビジット(聖火の訪問展示)も計画している。
 気仙での採火は、12日に陸前高田市、14日(土)に住田町、15日(日)に大船渡市で実施。
 陸前高田市会場は、小友町の気仙大工左官伝承館。阪神・淡路大震災で被災した兵庫県神戸市にある「1・17希望の灯り」から分灯を受け、同館敷地内に設置されたガス灯モニュメント「3・11希望の灯り」から火をとる。
 住田町は世田米の町役場を会場に、当日予定される成人式に合わせて実施。藩政時代、伊達藩直轄の火縄産地だった五葉山を守護するために組織された「五葉山火縄銃鉄砲隊」の伝承活動に取り組む同隊伝承会が参加し、火縄銃を用いる際に使う火から採火する。
 大船渡市は、大船渡町の須崎川親水広場で行う。同広場などがあるJR大船渡駅周辺地区では、お盆の時期に先祖や震災犠牲者の冥福を祈る「キャッセン海灯(うみあかり)フェスタ」を開催。このイベントで展示される市民手作りの竹灯ろう(竹あかり)から火を移す。
 43道府県に続き、同17日(火)〜20日(金)には競技を開催する東京都、埼玉県、千葉県、静岡県で聖火フェスティバルと聖火リレーを展開。東京都内で47都道府県すべての火が集まり、21日(土)〜24日の聖火リレーを経て、開会式に運ばれる。
 県内における聖火フェスティバルの詳細は今後、大会組織委、東京2020オリンピック・パラリンピック聖火事業等岩手県実行委員会、各市町村で調整、検討を進めていくとしている。