町長選 7月13日(火)告示・18日(日)投票、町選管が日程決定、出馬表明は現職のみ
令和3年4月2日付 1面
対抗馬擁立が焦点に
住田町選挙管理委員会(泉田静夫委員長)は1日、役場で定例会を開き、任期満了に伴う町長選の日程を「7月13日(火)告示、7月18日(日)投票」と決めた。これまでは7月下旬の投開票で日程が組まれてきたが、東京オリンピック開催が予定されている今年は同月22日(木)から連休となるため、選挙日程を早めた。現在、出馬を表明しているのは1期目の現職・神田謙一氏(62)=下有住=のみ。今後、対抗馬擁立の動きが出てくるかどうかに関心が集まっている。
今町長選は、8月4日(水)の任期満了に伴うもので、昭和30年の町制施行以来18回目。
今年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴う特例措置により、『海の日』がオリンピック開会式前日の7月22日(木)、『スポーツの日』が同23日(金)に移動となり、22~25日(日)が4連休となる。このため、町選管では五輪期間を避けて選挙を実施することとし、13日告示、18日投開票の日程とした。
現職の神田氏は、日本獣医畜産大学大学院修士課程修了。昭和59年に住田町農協に入り、合併した陸前高田市農協を経て、平成19年に住田フーズ㈱取締役生産部長、24年に同社常務取締役に就いた。
4期を務めた多田欣一氏=世田米=が勇退を表明し、16年ぶりに「新リーダー」を選ぶこととなった平成29年の町長選に初出馬。企業経営にかかわってきた人脈と経験を生かし、多田氏の支持者を取り込みながら選挙戦を進め、町議を辞して臨んだ水野英哉氏(65)=上有住=との一騎打ちを144票差という僅差で制した。
神田氏は就任後、「住民生活の基本である『医・食・住』の充実」を掲げて町政運営に取り組み、各分野で独自カラーを打ち出してきている。
一方、木工団地2事業体の破産問題を巡っては、合わせて約13億円にものぼる債権回収に向け、昨年10月、両事業体の連帯保証人とその相続人計19人に対して融資の未返済分や利息、違約金合わせて約10億5000万円の支払いを求める訴訟を盛岡地裁一関支部に提起。結審には長い時間を有するとみられるが、町のトップには今後、融資判断の根拠や妥当性、結果責任など一連の問題を総括して町民に説明を果たしていく姿勢が求められてくる。
同町ではこのほか、毎年約100人ペースで続く人口減少、農業者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加など、従来からの課題が山積。新型コロナウイルス感染症の拡大防止や事業者支援、医療体制強化などの対策も求められている。
現在、新人の起意や擁立の動きはなく、町内には無競争のムードも漂う。今後、対抗馬の擁立が図られ、競争選となるかが最大の焦点。このまま誰も名乗りをあげなければ、前々回選以来の無投票となる。
神田氏は政党などへの推薦要請はせず、無所属で出馬する意向。選挙日程が決定したことにより、後援会(泉金一会長)の動きが活発化していくとみられる。
町選管によると、立候補予定者説明会は6月下旬に開催される予定。1日現在の同町の有権者数は4614人(男2255人、女2359人)。前回選当日と比べて418人少ない。