流れ落ちるように開花 「三春滝桜」 由来のサクラ シンボルロードに先月植樹(別写真あり)

▲ シンボルロード沿いで開花したベニシダレ

 今年3月に福島県田村郡三春町から陸前高田市に寄贈され、同市高田町のシンボルロード(市道曲松中和野線)沿いに植樹されたベニシダレザクラが開花した。国の天然記念物「三春滝桜」にまつわる木で、花が優雅に流れ落ちるさまが〝親ゆずり〟の美しさを見せている。
 このベニシダレは、三春町在住の厚海幸雄さん(72)が実生から育てたもの。厚海さんは東日本大震災後、エドヒガン系である三春滝桜とその周辺のシダレザクラおよそ3000本の子孫木から種を集めて苗木を育成し、震災犠牲者への追悼の意味を込め、各地に贈呈する活動を続けている。
 陸前高田市には先月、小友町の華蔵寺(畑山祥山住職)を通じて贈呈され、3年生の苗木10本が川原川公園内の遊歩道脇に、10年生の1本が公園と隣接するシンボルロード沿いに植えられた。シンボルロードに植えられた1本はすでに樹高3㍍ほどに育っており、植樹時点で花芽をつけていた。
 ここ数日の春らしい陽気で、膨らんでいたつぼみが一気に開き、現在は花びらが七~八分ほど開いている状態。間もなく満開を迎える。まだ三春滝桜ほどの荘厳(そうごん)さはないが、厚海さんは「滝桜のように樹の形がいいものを選んだ」といい、今後の成長が期待される。
 また、厚海さんは「岩手県内でも、シダレザクラの苗木が欲しいという方には無償で贈呈したい。特に、震災で家族を亡くされたご遺族に差し上げられれば。希望する方は連絡を」としている。
 問い合わせは厚海さん(℡090・9038・9693、ファクス024・971・3215)まで。