気仙3市町は前年度上回る 平成30年度 県まとめ 1人当たり市町村民所得

 県は、平成30年度の市町村民経済計算の概要をまとめ、公表した。概要によると、同年度における気仙の1人当たり所得は大船渡市291万3000円、陸前高田市258万5000円、住田町270万3000円となり、いずれも前年度を上回った。一方、総生産額は陸前高田市が前年度を上回ったが、大船渡市と住田町は下回った。


 市町村民経済計算は、市町村における経済活動の結果を「生産」「分配」の2面からとらえ、市町村経済の規模、産業構造、所得水準を明らかにするもの。▽市町村内総生産▽市町村民所得の分配▽1人当たり市町村民所得──について、県内や各広域振興圏別に概要を示している。
 このうち、30年度の1人当たり所得は、市町村平均が284万2000円(前年度比2・4%増)。
 広域振興圏別でみると、気仙を含む沿岸が280万円(前年度比0・8%増)、県央が295万9000円(同1・2%増)、県南が277万7000円(同4・3%増)、県北が268万6000円(同1・8%増)。すべての圏域で増加し、沿岸は県央に次いで多かった。
 市町村平均を100とした各圏域の水準は、県央が前年度から1・2ポイント低下したものの、104・1と最も高かった。次いで、沿岸の98・5(同1・5ポイント減)、県南の97・7(同1・8ポイント増)、県北の94・5(同0・5ポイント減)となった。
 気仙を見ると、大船渡市が前年度に比べて8000円(0・3%)増え、市町村平均を超えた。陸前高田市は4万7000円(1・9%)、住田町は3万1000円(1・1%)それぞれ上昇したが、市町村平均を下回った。
 県内で最も所得が高かったのは、金ケ崎町の358万8000円で、市町村平均を上回ったのは9市町村。大船渡市は高い方から8番目、住田町が14番目、陸前高田市は18番目だった。
 市町村内総生産は合計で4兆7396億円となり、前年度に比べて1・6%増加。主な産業の内訳は、第1次産業が1663億円、第2次産業が1兆4167億円、第3次産業が3兆1265億円だった。
 広域振興圏別では、沿岸が建設業などの減少を受け、前年度比4・0%減の8293億円にとどまり、3年連続で前年度を下回った。第1次産業が327億円、第2次産業が3454億円、第3次産業が4459億円となった。
 このほかの合計額は、県北が3956億円(同1・3%減)、県央が1兆6103億円(同0・0%減、表記に満たない数値)と、沿岸と同様に建設業などの減少によって前年度から減少。県南は建設業や製造業などが増え、1兆9045億円(同6・3%増)と前年度を上回った。
 気仙をみると、陸前高田市が712億5000万円(同7・2%増)と伸びた一方、大船渡市は1623億2200万円(同4・7%減)、住田町は198億6100万円(同9・8%減)と落ち込んだ。
 市町村民所得の分配は、市町村合計が3兆5250億円となり、前年度に比べて1・2%増加。
 広域振興圏別では、沿岸が5258億円(同1・2%減)で、2年ぶりに前年度を下回った。県央は1兆3896億円、県南は1兆3172億円、県北は2925億円。県央、県南は前年度を上回ったが、県北は下回った。
 気仙の1人当たり所得は別表。