アウトドア情報をウェブ発信 元住田町地域おこし協力隊の金野さんが運営 取材や執筆も

▲ ウェブサイト「東北アウトドアライフスタイルマガジン」を手がける金野さん

気仙など東北の自然の魅力伝える

 

 元住田町地域おこし協力隊の金野正史さん(34)=大船渡市赤崎町=は、自らが運営するウェブサイト「東北アウトドアライフスタイルマガジン」を通じて東北のアウトドア情報を発信している。昨年6月のサイト開設からまもなく1年。「総合的なアウトドア情報が集まる場にしたい。ローカルなネタを拾っていきながら、東北ならではの情報を発信できれば」とサイト内の情報充実に意欲をみせる。

 

 金野さんは大学を卒業したのちに新潟県にある「国際自然環境アウトドア専門学校」に入学し、さまざまなジャンルのアウトドアについて学んだ。その後は旅行会社の仙台営業所に勤務し、東北や北海道を回った。
 平成29年度から令和元年度までは住田町地域おこし協力隊として活動し、川遊びや自然学習など屋外イベントを多く企画。現在は町社会福祉協議会に勤めている。
 自身もアウトドアを趣味とする中で、アウトドア情報をインターネットで探す際に、求めている情報にたどり着くまでに手間取った経験から、「情報が集まるところがほしい」と、自らウェブサイトを開設。
 金野さんが運営するサイトは、東北各地で「アウトドアなライフスタイル」を実践している人に話を聞いたり、実際に東北を巡っておすすめスポットやイベントを紹介していくもの。
 これまでに投稿したのは、青森県八戸市から福島県相馬市までの4県28市町村を結ぶ全長1025㌔の長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」の大船渡市北中部ルートや陸前高田市ルート、気仙沼市北部ルート、ツツジが咲き誇る大船渡市の今出山、外山森林公園(盛岡市)などを歩いた〝体験ルポ〟や、本県に移住してトレイルに関わる人へのインタビューなど。金野さんが「編集長」として自ら取材、執筆を手がけ、休日を利用して各地を訪問している。
 「震災をきっかけに、多くの人がさまざまな地域に入ってきたことによって、いろんなアウトドア体験をする土壌も生まれてきたように感じる」と、金野さん。自ら取材を重ねる中で、これまで知らなかった場所や魅力を発見したり、多くの人ともつながった。
 新型コロナウイルスの影響で他県への訪問には制限があるため、当面の間は県内を中心に回り、月に2、3件ほどの投稿を目標としていく。
 「地元の酒、食材を使った『キャンプ飯』を紹介することで、地域にお金が落ちる仕組みもつくれたら」など、さまざまな構想も練っており、「アウトドアに興味がある人たちの〝あと一歩〟を踏み出すのを後押しできるものにしたい」と展望を語る。