満開のサクラと〝共演〟 架け替え控える昭和橋
令和3年4月11日付 1面

▲ サクラが見ごろを迎えている世田米の昭和橋付近(4月9日撮影)
住田町世田米を流れる気仙川の昭和橋付近で、サクラが見ごろを迎えている。昭和橋は県の治水対策の一環として架け替えが計画されているため、サクラと現橋が織りなす古き良き景観美は見納めが近づいている。
昭和橋は、世田米商店街と役場などがある川向地区を結び、昭和8年に架けられた。
長さ73㍍の橋は気仙川沿いに立ち並ぶ蔵並みと調和し、歴史や古き良きたたずまいを感じさせる景観を形成。
高欄には、太平洋戦争の空襲で弾片が貫通したとされる穴があり、戦争遺産として昭和の記憶を受け継ぐ役割も担ってきた。
県の治水対策の一環として架け替えが計画されており、すでに現橋の下流側には仮橋が設置されている。
現在、県では新橋設置の工事に向けて周辺の用地交渉に係る事務処理を進めている。手続きが済み次第、現橋の解体に移るため、昭和橋とサクラの共演はあと何度見られるかは分からない。
春本番の陽気が続く中、川岸ではピンク色の花々が咲き誇り、陽光を浴びて輝く水面に鮮やかな姿を映して橋周辺の景観美をさらに高めている。