安全・安心守り地域振興を 釜石市で開所式 南三陸沿岸国道事務所(別写真あり)
令和3年4月13日付 1面

国土交通省東北地方整備局(梅野修一局長)が本年度新設した「南三陸沿岸国道事務所」(五十嵐俊一所長)の開所式は12日、釜石市鵜住居町の現地で行われた。同事務所は、気仙両市を通る三陸沿岸道路や国道45号などの管理業務を担うもので、開所式に出席した職員らは道路の安全・安心を守り、地域振興に努めていくと誓いを込めた。
東北地方整備局は、東日本大震災からの早期復興リーディングプロジェクトとして、三陸沿岸道路や東北横断自動車道釜石秋田線といった復興道路・復興支援道路を整備。2年度末にこれまで道路整備や管理業務を行ってきた南三陸国道事務所を廃止し、新たに南三陸沿岸国道事務所を開設して、今月1日から三陸沿岸道路などの適切な管理を進めている。
開所式は事務所駐車場で行われ、来賓や職員ら約50人が出席。はじめに、梅野局長と五十嵐所長が事務所前に、「国土交通省東北地方整備局 南三陸沿岸国道事務所」と記された木製の看板を設置した。
梅野局長は「事務所が設置されたことで、災害が起こった際にも地域の皆さまが素早く道路を利用できるよう努力していかなければならないと思っている。地域の信頼、協力を得られるよう努力し、地域経済発展の一助になっていきたい」とあいさつ。
野田武則釜石市長は祝辞を贈り、事務所の新設を喜ぶとともに、南三陸地域における一層の振興に期待を寄せた。
五十嵐所長は「新たな南三陸沿岸国道事務所として、花巻、大船渡、三陸道の3維持出張所を含む総勢65人で対象区間をしっかり管理し、地域の安全・安心を守っていきたい。県、沿線市町村とも連携し、地域振興にも取り組んでいく」と力強く述べた。
同事務所の管理区間は、三陸沿岸道路の山田南IC~鳴瀬奥松島IC間(延長約175㌔)、国道45号の大槌町~陸前高田市間(同約81㌔)、東北横断自動車道釜石秋田線の釜石JCT~東和IC間(同約67㌔)の総延長約323㌔。同事務所のほか、大船渡市に大船渡維持出張所、花巻市に花巻維持出張所、宮城県石巻市に三陸道維持出張所を設け、管理業務に当たる。
このうち、大船渡維持出張所は所員6人体制で、三陸沿岸道路の山田南IC~陸前高田長部IC間(延長約72㌔)と国道45号を担当する。
同事務所としては本年度、事業費として5億8000万円の予算を計上。大船渡市と釜石市の国道45号において、交差点改良や歩道整備、電線共同溝の5事業を計画している。