気仙3市町ですでに65事業者が申請 県の地域企業経営支援金 1店舗最大で40万円

▲ おおふなと夢商店街で開催された説明会。商店街以外の店舗関係者の出席もあり、関心の高さをうかがわせた

 大船渡商工会議所と陸前高田、住田町の両商工会は今月から、県が新型コロナウイルス対策として設けた中小企業・個人事業者向けの「地域企業経営支援金」を受け付けており、16日までに67事業者が申請した。小売業や飲食業、宿泊業、サービス業などが対象で、昨年11月~今年3月で1カ月の売り上げが前年同月比で50%減少しているといった場合、1店舗あたり40万円を上限に助成。各商工団体や商店街組織では制度周知を図るとともに、申請後のスムーズな入金対応を進めながら、事業継続を後押ししている。

 

商工団体で対応・周知

 

 この制度は、新型ウイルス感染拡大の影響が広がる中、感染対策などに取り組みながら事業継続を図る中小企業者に対し、支援金を支給するもの。対象となる店舗、事業所が所在する区域の商工団体ごとに申請を行っている。
 県内は今年、東京などに発令された緊急事態宣言の対象にはならなかったが、大船渡市では感染拡大を受けて独自に特別宣言を出すなど、警戒感が高まった。飲食店を中心に、自主的に営業を縮少・見合わせた動きもあった。
 今回は、宿泊業や飲食店、理・美容、医療業、道路旅客運送業、各種商品小売業などの中小企業者が対象。令和2年11月~今年3月の対象期間のうち、いずれか1カ月の売り上げが前年同月比で50%以上減少しているか、連続する3カ月の売り上げが前年同期比で30%以上下回っていれば該当となる。
 3カ月の売り上げに対し、前年同期の売り上げとの差額を、1事業所あたり40万円を上限に支援。多店舗経営の場合は、1事業者当たり個人事業主は最大100万円、法人や組合は同200万円としている。申し込みの期限は6月末を予定している。
 気仙の商工団体のうち、大船渡商工会議所では16日までに31件を受理した。ほとんどが上限額いっぱいとなっており、厳しい経営環境がうかがえる。陸前高田商工会では30件、住田町商工会では6件をそれぞれ受け付けた。
 また、大船渡市大船渡町のおおふなと夢商店街協同組合(伊東修理事長)は15日、支援金に関する説明会を開催。午前、午後合わせて事業所関係者23人が参加し、同商議所職員の説明を受けた。
 この中で、売り上げ減少要件は「前年比較」となっているが、新型ウイルスの影響ですでに減少していた場合は、さらに前年の売り上げを用いる点を確認。感染症対策か業態・業種転換に取り組み、支援金受給後も事業を継続する意思があることや、個人事業主の場合は令和2年分の所得税の確定申告が条件になることも示された。
 申請前には▽対象期間の売り上げが分かる書類(売上台帳、確定申告書、収支決算書など)▽対象期間の前年同期の売り上げが分かる確定申告書や収支決算書等──といった準備も把握。参加者は必須書類の一覧が示された「チェックリスト」にも目を通しながら、熱心に耳を傾けていた。
 伊東理事長は「こうした制度を確認し、積極的に活用して経営をつないでいくことも大事だが、支援策が終わった時の対応もさらに重要。きょうだけにとどまらず、商工会議所などには研修の機会を設けてもらいたい」と話していた。
 同商議所では、1回目の送金を今月23日(金)に行うよう調整。以降、申請から10日~2週間をめどに支給を行い、資金繰りや感染防止策の徹底などを後押しする。
 また、20日(火)午前10時と午後2時から、盛町の同商議所で支援金や基本的な感染症対策に関する説明会を開催。問い合わせも同商議所(℡26・2141)へ。