山頂からの絶景楽しむ 氷上山で2年ぶり山開き 感染症対策に留意して(別写真あり)

▲ 9合目の祈祷ヶ原でひと休みする子どもたち

 陸前高田市の名峰・氷上山(874㍍)は24日、山開きを迎えた。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となったため2年ぶり。絶好の登山日和となった中、登山者らは感染症対策に努めながら山を登り、山頂からの絶景を楽しんだ。

 この日は、高田町の氷上神社(熊谷守宮司)で山開きの神事を実施。感染対策のため少人数で行われた中、市観光物産協会の熊谷千洋副会長と戸羽太市長が玉串をささげ、登山者らの安全を祈願した。
 登山者は、「すずらん」「中央」「玉山」の各登山口から入山。道中に咲く小さな花々や、光の加減やアングルによってさまざまな表情を見せる木々、林の合間から見える市街地と広田湾などの景色に目を向けながら、頂上を目指した。
 9合目の祈祷ヶ原では、休憩やランチを楽しむ登山者らの姿も。例年、山開きの日に行われる豚汁提供は今回見送られたが、おいしい手弁当と一緒に、高所から見える絶景を味わった。
 大船渡市大船渡町から訪れた栗河由也さん(57)は「山登りが趣味で、氷上山はこれまで5、6回登った。きょうもいつもと変わらない、きれいな風景。山で食べるご飯もおいしい」と笑顔をみせた。
 本多このはさん(米崎小3年)は「一昨年以来2回目の登山。たくさん歩いて疲れたけど、高いところから見える景色がきれい」と目に焼き付けたようだった。
 氷上山で清掃ボランティアを行っている地元有志によると、例年、山開きの日の昼ごろには祈祷ヶ原に100人ほどの登山者が集まるが、この日は「いつもの5分の1程度」という。マスクを着用し、息苦しくてマスクを取る人も周りと距離を置くなどの光景も見られた。
 市観光物産協会では、水分補給や熊よけ鈴の持ち歩き、天候対策などに加え、感染対策にも十分留意しながら山登りを行うよう呼びかけている。