新型コロナウイルス/「影響が継続」5割、町が事業所アンケート実施、今後の支援策に向けて

 住田町はこのほど、新型コロナウイルスの影響に関する事業所アンケート調査を実施した。それによると、新型ウイルスによる経営への影響について「影響が継続している」との回答が5割におよび、今後の影響を懸念する回答も2割近くあった。昨年度実施した町独自の経済対策への意見も寄せられており、町ではアンケート結果をもとに今後の経済対策を展開していく。
 町は昨年度、全国的な新型ウイルスの感染拡大を受けて、独自経済対策第1弾としてプレミアム率100%の「食べて応援住田チケット『すみチケ』」を、第2弾として対象業種を拡大した同じくプレミアム率100%の「使って応援住田チケット『すみチケ+』」を発行。
 さらに、第3弾の経済対策として感染予防対策、新たな取り組みを実施している事業者に協力金を交付する「プラスアップ事業協力金」、第4弾として感染収束後の飲食店利用を見据えた先払い型の食事券「すみチケ未来」を発行して町内事業者を幅広く支援してきた。
 一方で、新型ウイルスは感染収束の見通しもついておらず、引き続き業種・業態を問わず経済活動に影響が及んでいることから、町ではこれまでの経済対策の成果と課題を洗い出すとともに、地域経済や中小企業の状況を把握して今後の支援策への着手、国、県へ必要な要望を行っていくためにアンケート調査を行った。
 調査は今月初めに、商工会員の143事業所、会員以外の4事業所を対象に実施。回答数は63者で、回答率は42・9%だった。
 今回のアンケートのうち、感染拡大による経営への影響について、「影響が継続している」との回答は50%、「最近影響が出てきた」が3・1%、「今後影響が出る可能性がある」が18・8%となり、依然として多くの事業所に影響が及んでいることが分かった。
 「どのような影響が生じているか」(複数回答)については、「需要や消費の減少による売り上げ減少」が42・9%を占め、「資金繰り悪化」が14・3%、「主催イベント等の中止・延期」と「予約や受注のキャンセル」が各12・5%などと続く。
 町独自の支援策については、第1弾から第4弾まで「非常に効果的」「やや効果的」との回答が多く、「地域経済の活性化につながった」「経営の下支えとなった」「新規の顧客獲得につながった」「少し値段が高めの工事でもお客様が発注してくれた」といった声が寄せられた。
 一方で「(チケットの)売り出し情報が分からず買えなかった」「すごく効果的だったとは思うが、発行部数が少なく残念」との意見も寄せられており、町では「昨年度の成果や課題を見直して今後につなげていきたい」としている。