気仙の少子化 さらに進む 3市町の児童・ 生徒数 前年度下回る 合計で103人減の3414人

 気仙3市町の教育委員会によると、令和3年度当初の3市町の児童・生徒数は、小学生が合わせて2212人(前年度比62人減)、中学生が同1202人(同41人減)で合計3414人(同103人減)となり、3市町すべてで前年度を下回った。小中学生の合計数を9年前の平成24年度と比べると、約3割も減少しており、少子化がさらに進んでいることを裏付けている。

 

平成24年度と比べ3割減

 

 気仙の本年度の小中学校数は、大船渡市が11小学校、4中学校、陸前高田市が8小学校、2中学校、住田町は小中ともに2校。大船渡市の中学校で赤崎と綾里の統合による東朋が誕生し、前年度から1校減った。
 児童・生徒数は、大船渡市が小学生1407人(前年度比16人減)、中学生744人(同19人減)の合計2151人(同35人減)。陸前高田市は小学生654人(同29人減)、中学生371人(同12人減)の合計1025人(同41人減)。住田町は小学生151人(同17人減)、中学生87人(同10人減)の合計238人(同27人減)。
 平成24年度からの児童・生徒数の推移をみると、同年度は3市町の小中学校合わせて4897人だったが、25年度以降は毎年100人~200人台で減少。29年度には4000人台を割り、令和3年度は3500人台を切った。
 本年度と平成24年度を比べると、3市町の合計は1483人(30・3%)の減。
 市町別でみると、大船渡市は小学生が381人(21・3%)、中学生が376人(33・6%)それぞれ減り、合計では757人(26・0%)の減となった。
 陸前高田市は小学生が348人(34・7%)、中学生が220人(37・2%)減り、計568人(35・6%)減少。住田町は小学生が114人(43・0%)、中学生が44人(33・6%)、合計では158人(39・9%)といずれも減った。
 本年度の児童数が前年度より増えた小学校は4校で、16校が減少し、1校は増減なし。全校児童数が最も多いのは猪川(大船渡市)の307人で、最少は矢作(陸前高田市)の19人。
 学年あたり2クラス以上あるのは、猪川(全学年)と陸前高田市の高田(6年生)、米崎(同)。一方、複式学級編成は大船渡市が吉浜(2・3年、4・5年)、陸前高田市は気仙(2・3年)と矢作(1・2年、3・4年、5・6年)、竹駒(3・4年)、横田(2・3年、4・5年)、住田町は有住(4・5年)となっている。
 新1年生は、大船渡市が234人(同17人増)、陸前高田市が98人(同6人減)、住田町が17人(同11人減)で、合計は前年度と同数の349人。
 学校別の最多は猪川の52人で、最少は横田の3人。10人を割った学校は、大船渡市が日頃市と吉浜、陸前高田市が矢作、竹駒、横田、住田町が有住だった。
 一方、中学校で前年度より生徒数が増えたのは、東朋(赤崎、綾里の合計と比較、11人増)のみで、ほかの7校は下回った。全校生徒数の最多は第一(大船渡市)の410人で、最少は有住の27人。
 学年あたり2クラス以上あるのは、大船渡市が第一(全学年)、大船渡(同)、東朋(1、3年)で、陸前高田市は高田第一(全学年)と高田東(同)。
 新1年生は、大船渡市が240人(前年度比3人減)、陸前高田市が119人(同2人増)、住田が35人(同4人増)で、合計は394人(同3人増)。学校別の最多は第一(大船渡市)の142人、最少は有住(住田町)の14人だった。
 少子化の現状を受け、各市町では小中学校の統廃合を含む教育環境の整備、充実を図ってきた。しかし、統廃合後も児童・生徒数の減少が止まらず、学校行事や部活動などへの影響から新たな検討を求める声も出ている。こうした中、子どもたちが地域の担い手として学び、成長できる教育環境の確保に向け、行政と地域、家庭、学校が連携を図り、「子どもたちのため」を第一に話し合っていくことが求められる。
 児童・生徒数の推移は別表。