自転車イベント「ツール・ド・三陸」2年ぶり開催決まる 8月22日、気仙両市コースに(別写真あり)

▲ 陸前高田、大船渡両市を走る「ツール・ド・三陸」(一昨年)。2年ぶりの開催が決まった(電子新聞に別写真あり)

復興の姿も発信

 

 陸前高田、大船渡両市を全国のサイクリストが駆ける「ツール・ド・三陸」の実行委員会(吉田正紀委員長)が28日、陸前高田市コミュニティホールで開かれた。東日本大震災被災地の新たなまちづくりを応援し、地域振興や広域観光推進を継続的に応援しようと、震災翌年の平成24年に始まった催し。昨年は新型コロナウイルス感染防止のため中止したが、今年は8月22日(日)に開催することを決めた。
 ツール・ド・三陸は、被災地のサイクリングを通じて復興状況や地域の実情に理解を深めてもらうため、記録を競うのではなく、気仙が誇る景勝地や沿道の風景、食べ物などを楽しむ「ファンライド」として、スタート以降毎年実施してきたが、昨年は新型ウイルスの影響を踏まえて見合わせていた。
 今年の開催を話し合う同日の実行委には、11人が出席。名誉会長の戸羽太市長は「工夫を凝らし、昨年できなかった分も市を挙げて歓迎できるようにしたい」とあいさつした。
 協議では、コロナ対策に万全を期しながら8月に開催することを決定。「10回、10年目という数字に大きな意義がある」として、中止した昨年の9回目も数え、大会名を「第10回ツール・ド・三陸〜サイクリングチャレンジ2021〜inりくぜんたかた・おおふなと」とすることとした。
 コースは、長距離で高低差の大きい上級者向けから、距離が短く平らなファミリー向けまで、計4種を計画。高田松原津波復興祈念公園や今泉、高田両地区、大船渡市の中心市街地なども通りながら気仙の復興を発信する考えで、今後関係機関と協議しながら詳細を詰めていく。
 エントリーは最多で800人を見込む。過去の大会では全国各地から申し込みがあったが、コロナ禍の現状を踏まえ、県外からの参加などに対するルールづくりを検討していくことも申し合わせた。
 コース途中に設ける休憩所「エイドステーション」では、過去の開催時、気仙の「味」と「人」とのふれあいが参加者の好評を集めてきた。感染症対策に留意しながら今回も複数カ所設け、郷土の魅力発信を後押しする考え。前夜祭は行わない。
 5月下旬から7月中旬にかけて、参加を受け付ける予定。吉田実行委員長(70)は、「この2年で新しい風景が生まれ、自転車で走る環境もよくなった。コロナ禍ではあるが、無事に開催できることを願っている」と話している。