新たな試みに手応えも 中心市街地の商業施設 ゴールデンウイーク始まる(別写真あり)

▲ 夢商店街の通路内で行われたフリーマーケット。多彩な品々がそろい、にぎわいが生まれた

厳しい状況下も「前へ」

 

 新型コロナウイルスの影響が多方面で続く中、ゴールデンウイーク(GW)が29日、始まった。大船渡市大船渡町の大船渡駅周辺地区内で営業する商業施設は、開業4周年の節目と重なる。一昨年以前のような華やかな企画は見送ったが、フリーマーケットなど新たな試みには多くの地域住民らが詰めかけ、新たな活気創出に手応えも。東日本大震災から10年が過ぎ、復興需要収束による停滞感の打破も見据え、にぎわいづくりの知恵を絞る。

停滞感打破を見据え

 

 おおふなと夢商店街では同日、フリーマーケットを開催。悪天候のため施設内の通路を中心会場とし、市内外から18業者・個人が参加した。古着や古本、手づくり品、雑貨などが並んだほか、子どもたちにはバルーンアートのプレゼントも行われた。
 開幕直後から多くの地域住民が訪れ、商店街関係者も「予想以上のにぎわい」と語るほど。品々を囲み、出店者と来場者がマスク越しに会話を交わした。
 パッチワーク用の布やマスクなどを並べた「ファッション514(ごいし)」の及川タキさん(74)=末崎町=は「安値の古着とか、着物の生地、レース生地のマスクなど、地元の方に身近なものが人気。回数を重ねれば、品ぞろえの工夫もできる。この場所でのフリーマーケットが、続いてほしい」と話した。
 26店舗で構成する同商店街協同組合の伊東修理事長(68)=三陸海苔店=は「大船渡はこれまで、フリーマーケットが根付いてこなかった。今回のイベントは若い人たちからの発案。われわれが場所を提供し、ともに盛り上がっていく形になれば」と期待を込める。
 通路には、平成23年12月に仮設商店街としてスタートを切った当時や、4年前の本設開業時に収めた写真も展示。来訪者は、東日本大震災からの復興の歩みにも思いを巡らせていた。
 駅周辺地区は、東日本大震災による津波で甚大な被害を受けた。その後、市が土地区画整理事業による復興まちづくりに着手。JR大船渡線から海側に位置する津波復興拠点整備区域では、交通広場や本設のホテル、スーパー、商業施設などが整備された。
 このうち、商業施設は㈱キャッセン大船渡が運営するキャッセン・モール&パティオとキャッセン・フードヴィレッジ、おおふなと夢商店街協同組合のおおふなと夢商店街が平成29年4月29日にオープン。住民生活を支えるだけでなく、中心市街地として大船渡の〝顔〟の役割も担う。
 オープン以降、同日は周年イベントを開催してきたが、昨年は全国に緊急事態宣言が発令された状況などをふまえ自粛。今年は感染防止を徹底しながら「やれることをやろう」と工夫を重ねた。
 各商店街では、店舗構成などに目立った変化はなく、住民に定着している半面、中心市街地に対して停滞感を指摘する声は少なくない。震災前から駅前で店舗を構えていた伊東理事長も「震災直前の平成23年の1月や2月は、売り上げが非常に悪かった。その時期に戻りつつあるのではないか」と、危機感をにじませる。
 そのうえで「停滞感を打開していく方法を見つけていかなければ。商業者と事業者が協力し、今後を考えていくことが大事。若い人たちや、新しい試みを積極的に入れて前に進んでいかなければ」と、今後を見据える。
 夢商店街では30日以降も、店舗ごとに割り引きやサービスを展開。キャッセン大船渡でも、各種セールに加え、購入1000円以上で抽選会に参加できる「特得キャンペーン」などを5月1日(土)から3日間行うほか、2日(日)と3日(月)には「春のマルシェ」として地元産品やキッチンカーの出店などを計画している。