2年ぶり 地元色豊かに 碁石観光まつり開幕 自然と芸能、食の交流で歓迎(動画、別写真あり)
令和3年5月4日付 1面

「大船渡碁石海岸観光まつり」(同実行委主催)は3日、大船渡市末崎町の碁石海岸レストハウス前などで始まった。新型コロナウイルスの影響で昨年は中止しており、2年ぶりの開催。感染予防の徹底や催事規模の縮小で例年通りとはいかなかったが、郷土芸能や地元高校生がステージを飾ったほか、工夫をこらした食のメニューが並び、地元色豊かな企画でにぎわいを呼び込んだ。まつりは4日も開かれる。
きょうまで開催
開会式では、実行委員長の齊藤俊明市観光物産協会長が「子どもも大人も楽しめる内容になっている。マスクや消毒の徹底、混雑を避ける行動に協力を」とあいさつ。戸田公明市長による祝辞後、第23代大船渡つばき娘の披露が行われた。
レストハウス広場には露店業者を除くと10の出店があり、一昨年の3分の2程度。地元業者がアワビの酒蒸しや海鮮丼、ワカメ、ラーメン、軽食類などを販売し、香ばしさで歓迎したほか、子ども向けの「縁日コーナー」も設けられた。
末崎町の碁石地区復興まちづくり協議会による「浜の停車場・碁石」の出店ブースでは、サンマのすり身をベースとしたギョーザを販売。本来はホタテやホヤを計画していたが、貝毒基準値を上回ったため急きょ変更した。
それでも、すり身ならではのおいしさを気軽に味わえるとあって、好評を博した。事務局の及川宗夫さん(70)は「前々から温めていたアイデアを実現できるチャンスになった。挑戦の機会を得たと、前向きにとらえたい」と話していた。
ステージ部門を飾ったのは、大船渡町の仰山流笹崎鹿踊。昨年度は、新型ウイルスの影響で披露する機会がなかったという。雨が小降りになり、雲間から青空がのぞく中、テンポが速く激しい動きで魅了し、盛大な拍手を呼び込んだ。
演じた米田優さん(28)は「久しぶりすぎて緊張した。披露の場があれば、若い世代にも興味を持ってもらえるし、われわれの練習にも気合が入る。今年は、こういった機会が増えてほしい」と話し、汗をぬぐった。
引き続き、大船渡高校吹奏楽部の演奏が行われ、さわやかな音色を響かせた。周辺の散策路では、海原を見つめながらウオーキングを楽しむ親子連れの姿も目立った。
同まつりは、昭和28年に末崎青年団が地元のPRを目的に開催したのが始まり。現在は実行委が主催し、市のイメージアップと観光誘客を図ろうとゴールデンウイークに合わせて開催してきた。
例年と異なり、レストハウス広場前の入り口は1カ所に限定し、来場者の体温をチェック。さらに一人一人に「検査済み」のシールを貼り、受付用紙に氏名や連絡先の記入を求めた。
飲食を楽しむテーブルやステージ前のいすも間隔を確保し、にぎわいと感染予防の両立を図った。一方で、例年実施している特設ステージからの「もちまき」は見送った。
4日は午前10時に開幕。サッカー・いわてグルージャ盛岡のPRのあと、同30分から陸前高田市のシンガーソングライター「斉藤選手」、同11時30分と午後1時20分から大船渡東高校太鼓部、同1時50分から沖縄出身の「あ~きぃ」が出演。おおふなトンのステージも行われる。
前日に続き、グルメ販売コーナーや、椿の里・大船渡ガイドの会による観光案内や碁石海岸穴通船運航、恋する灯台プロジェクトの一環で「恋する赤いリボンコーナー」も。時間は午後3時まで。会場周辺の臨時駐車場からは、無料シャトルバスが運行される。