今後の豊漁に期待込めて 本年度初の100㌧超え 連休明けの開場で市魚市場に活気(別写真あり)
令和3年5月7日付 7面

大船渡市魚市場は6日、連休明け初の開場でサバやマイワシを中心に合わせて約138㌧の水揚げがあった。数量が100㌧を超えたのは3月25日以来で、本年度は初めて。早朝から好天が広がった中、定置網船が次々と接岸して活気を呼び込み、関係者は今後の豊漁に期待を込めた。
同魚市場は今月、大型連休中の2〜5日を完全休業とした。営業を再開した6日は、気仙沿岸の定置網で漁を終えた船が次々と接岸。構内には魚が入ったタンクが並び、市場関係者が慌ただしく作業に追われた。
この日はマイワシやサバ、ヤリイカ、ママスに加え、30㌔超のマグロも。スッキリとした青空の下で、漁船から水揚げされた魚体がまぶしく輝いた。
1日での水揚げ数量が100㌧を超えたのは、春漁の主力であるイサダ船のまとまった寄港があった3月25日以来。イサダは昨年に続き、4月の実績はほぼゼロに終わった。一方、先月下旬からは、定置網の水揚げ船が増えている。
水揚げのうち「サバ・マイワシ込み」が126㌧。魚の選別作業を見守った関係者からは「あす以降も、同じぐらいの量が続いてくれれば」「思っていた以上にマイワシが多い」との声が聞かれた。
定置網の主力魚種で、多獲性魚の一つであるサバは、例年6月ごろに数量がまとまり出す。一方で、一昨年と昨年も、5月の連休明けに100㌧超が水揚げされる盛況ぶりをみせた。
昨年度の同魚市場へのサバの水揚げ量は5602㌧で、前年度比27・3%減。金額も同14・5%減の6億11万円だっただけに、今季への期待は大きい。
魚市場を運営する大船渡魚市場㈱の千葉隆美社長は「今は春漁でもなく、夏漁が本格化している状況でもない。周囲の山々が新緑に包まれてきており、『これからに期待』といったところ。夏漁が本格化し、マグロやブリ、サバ、サワラなどが多く水揚げされるようになれば」と、今後を見据える。