新型コロナウイルス/陸前高田市の3人から検出 累計患者1076人 県が感染対策呼びかけ

 県は8日、陸前高田市の3人から新型コロナウイルスが検出されたと発表した。3人は県内1059人目・同市30代会社員男性の同居家族で、重症者はいない。県内では同日、この3人を含め新たに17人の感染が判明し、累計患者数は1076人となったほか、7日に入院中の患者1人の死亡も確認された。気仙では先月20日以降、大船渡市で3人、陸前高田市で4人の感染が確認されており、引き続き拡大防止に向けた対策の徹底、注意が求められる。
 7日は検査872件のうち、同市のほか、盛岡市8人、中部保健所管内と奥州市の各2人、花巻市、一関市の各1人からウイルスを検出。いずれも重症ではない。
 陸前高田市の60代団体職員男性、40代会社員女性、10歳未満男児は、5日から6日に発症。それぞれ熱やせきなどの症状があり、7日に入院した。3人と検査を受けたもう1人の同居家族は、ウイルス不検出だった。
 3人の濃厚接触者、接触者の有無は、大船渡保健所が調査中。60代男性と10歳未満男児は外出先、40代女性は勤務先での接触について調べている。気仙で感染が確認された患者数は43人となった。
 奥州市の高齢者施設クラスターでは、施設入所者の70代男性と、6日に感染が分かった別施設の職員の同居家族である同市20代団体職員女性の感染を確認。累計患者数は71人となった。
 盛岡市の50代会社員女性と40代公務員男性は、これまでの感染患者の同居家族。花巻市40代会社員女性と中部保健所管内30代会社員女性は、過去の感染患者との接触歴がある。
 盛岡市の30〜50代の会社員男性5人と20代自営業男性、中部保健所管内滞在の県外在住60代女性、一関市滞在の県外在住20代会社員男性は、現時点でこれまでの感染事案との関連がみられていない。
 県は、岩手中部圏域で学校を起点としたクラスターの発生を確認したと報告。8日時点で生徒など10人が感染しており、県内31例目のクラスターとなった。
 新たに死亡したのは、基礎疾患がある高齢者で、重症ではなかったという。
 8日正午現在、患者1076人中、入院中は134人(うち重症者2人)、宿泊施設療養中は54人、退院などは862人(うち死亡34人)、入院等調整中は26人。
 県内では4月下旬以降に複数のクラスターが発生し、感染患者が急増。県は8日、県民や来県者に「感染拡大を防止するためのお願い」を示し、▽家庭や職場を含むすべての場における基本的な感染対策の実施▽他の都道府県から来県する際は、来県2週間はそれまでにいた都道府県が要請する自粛などの継続を行う▽密閉、密集、密接が重なる3密の場面だけでなく、二つあるいは一つだけの要素を伴う会合等は回避する──への協力を呼びかけている。

 陸前高田市は8日、同市で新たに3人の新型ウイルス感染が確認されたことを受け、市役所で感染症対策本部会議を開いた。保健所と連携を密に取りながら感染防止対策の徹底を呼びかけていくことを改めて確認した。
 高田町の夢アリーナたかたは、感染患者が滞在していた可能性があり消毒作業などを行うため、7〜9日は臨時休館。10、11日はもともと休館日で、12日以降の利用に関しては今後の感染状況などを見極めて決める。同施設を除く公共施設は、通常通り利用できる。
 市教委によると、新規患者のうち1人は小学校児童。市教委は▽家族内感染であること▽大型連休中の感染であること▽現在入院中で、他の児童との接触がないこと──から、現時点で小中学校の臨時休校の措置をとらず、中学校の部活動、小学校のスポ少活動も通常通り行う。