防災・減災へ新規事業 消防団にトランシーバー配備 年度内にマップも更新へ

▲ 消防団各部に新たにトランシーバーを配備するなど防災対策に取り組む

無線LAN整備も

 

 住田町は本年度、消防防災対策を進め、防災力の向上を図る。新規事業として、災害現場での消防団員同士の連絡をスムーズにするためのトランシーバー配備、防災マップの更新、避難所2カ所への無線LAN機器整備に合わせて約1260万円を予算計上し、災害時の体制強化や被害軽減に努めていく。

 防災対策の予算はトランシーバー配備が180万円、防災マップ作成が331万円、無線LAN機器整備が752万円の計1263万円。
 このうち、トランシーバーは町消防団の全6分団の各部に2台ずつ、計36台配備する。現在も消防団にはトランシーバーが配備されているが、主に団本部や分団の幹部同士の連絡に使用されている。昨年の5月に町内で発生した林野火災で、消火活動に当たっていた団員同士の連絡がうまくいかなかったこともあり、各部への配備を進めることで、災害時に最前線で活動する団員同士のスムーズな連携を図る。配備は9月ごろまでの完了を目指している。
 一方、防災マップは、平成28年に一新し、全戸配布したものをベースに作成する。現行の防災マップは、住宅地図上に土石流の危険区域や流域界、急傾斜地危険エリア、洪水時の浸水高、1次避難先となる緊急避難場所、中・長期的な2次避難先である避難所、災害弱者が利用できる福祉避難所を掲載。加えて、国の土砂災害防止法が指定する土石流と急傾斜地における警戒、特別警戒の各区域も示している。
 冊子の前半部分には、風水害や地震への対策、洪水ハザード情報の活用方法、大雨時の行動ガイドといった各種知識、情報を紹介。緊急避難場所、避難所、福祉避難所の一覧表や、万が一の際の連絡先、避難場所、健康情報などを書き込めるページも盛り込んでいる。
 現行のマップ作成から数年が経過し、町内の土砂流出範囲や洪水時の浸水範囲も変化していることから見直しをかけることとしており、今後、各地域との意見交換を重ね、年度内の作成を目指す。
 無線LANは、災害時の長期的な避難所となっている世田米の社会体育館と下有住の生涯スポーツセンターの2カ所に整備。携帯電話の回線が混み合った時などにWi─Fiを使用することで、外部との連絡を取りやすくするといった狙いがある。
 町総務課の佐々木喜之課長補佐は「近年は自然災害も頻発、激甚化している。できる限りの対策を進めて、防災・減災を図っていきたい」と話している。