数量は前年比16%減 県産養殖ワカメ共販速報 金額も6%下回る実績に

▲ 県漁連沿岸南部支所で行われたワカメ入札会の様子=3月16日、大船渡町

 全国漁業協同組合連合会は、今月10日現在の三陸(宮城、岩手県産)の養殖ワカメ共販速報をまとめた。岩手県産の数量は1万986㌧(原藻換算)で、前年比で16%減少。金額(共販運営費、消費税除く)は22億3377万円で、前年よりも6%少なかった。
 岩手県産数量の主な内訳をみると、ボイル芯抜きは844㌧(原藻換算3798㌧)、同芯付きは565㌧(1695㌧)。生は5480㌧だった。金額は芯抜きが11億4813万円で、芯付きが4億1653万円だった。
 芯抜きを前年実績と比較すると、数量は14%下回ったが、金額では10%上回った。1㌔あたりの平均単価は1360円で、293円(27%)上昇した。芯付きも数量は1%減で、金額は13%増加。1㌔平均単価は737円で、89円(13%)上回った。
 生の数量は5480㌧で、金額は5億4776万円。1㌔平均単価は100円となった。前年比では数量は21%、金額は28%、平均単価は9%それぞれ下回った。
 宮城県産の全体数量は9382㌧で前年の79%にとどまり、数量も前年比83%の16億305万円にとどまった。
 両県を合わせた三陸産としての総計は、数量が2万368㌧で、金額は38億3682万円。前年比では数量が19%、金額では11%下回った。1㌔単価は188円で、16円(10%)高かった。
 気仙を含む県内では今季、3月16日〜5月8日の6回にわたり、塩蔵ワカメを中心とした入札が行われた。気仙の1㌔あたりの最高値単価は1250円〜1620円で推移。県下合同の初回は震災後では最多となる181㌧の上場があったが、気仙・上閉伊分のみを含む2回目以降は前年よりも数量が下回る上場が多かった。
 関係者によると、県内では今季、病害虫の影響を警戒して比較的早期に刈り取りを行う傾向が見られ、成長しきらない状態で収穫する漁場が多く、数量が伸びなかったという。平均単価は昨年を上回ったが、一昨年の水準には届かず、新型コロナウイルスの経済的な影響もあったとみられる。