気仙の人口5万8060人 2年国勢調査の速報値を県が公表 5年前から5476人減

 県は、昨年10月1日現在で行われた令和2年国勢調査における人口・世帯数の速報値を公表した。気仙3市町の人口は合計で5万8060人となり、前回調査時(平成27年)から5476人(8・6%)減少した。10年前の22年からは、当時の人口7万227人の2割近くにおよぶ1万2167人が減っており、顕著な人口減少の進行を裏付けた。

 

10年前比で約2割減る

 

 国勢調査は、国内の人口・世帯の状況を明らかにするため、日本に住む全世帯を対象とした最も基本的な統計調査。公表された速報値は、国勢調査結果を早期に利用するため、調査員が作成する調査世帯一覧をもとに、市町村が取りまとめた人口・世帯数の一覧表(要計表)を県が集計したものとなる。
 気仙3市町の人口をみると、大船渡市が3万4739人、陸前高田市が1万8271人、住田町が5050人。前回調査時と比べると、大船渡市は3319人(8・7%)、陸前高田市は1487人(7・5%)、住田町は670人(11・7%)それぞれ減り、同町の減少率は県内で4番目に大きい値となった。
 減少率が前回を上回ったのは、大船渡市(2・1ポイント増)と住田町(4・1ポイント増)。一方、陸前高田市は7・7ポイント減り、前回を大きく下回った。
 10年前と比較すると、大船渡市は5998人(14・7%)、陸前高田市は5029人(21・6%)、住田町は1140人(18・4%)の減。3市町合計の減少率は17・3%だった。
 世帯数の速報値は、大船渡市が1万4115世帯、陸前高田市が7148世帯、住田町が1983世帯。27年と比較して、大船渡市が692世帯(4・7%)、陸前高田市が339世帯(4・5%)、住田町が134世帯(6・3%)減少した。
 3市町の合計は2万3246世帯で、前回を1165世帯(4・8%)下回った。10年前と比べると1441世帯(5・8%)の減で、人口が2割近く減少したのに対し、世帯数はほぼ横ばいだった。
 県内全域の人口は121万1206人で、前回から6万8388人(5・3%)の減。33市町村のうち、前回と比べて人口が増えたのは矢巾町と滝沢市で、ほかの31市町村は減少した。
 世帯数は49万2014世帯となり、前回比1035世帯(0・2%)の減となった。
 国による国勢調査結果の公表は、人口速報集計が6月、人口等基本集計が11月の予定。これ以外の集計は、来年2月以降に順次公表される見込みとなっている。
 県内市町村別の人口・世帯数は別表。