〝山の恵み〟すくすく ワラビ収穫体験スタート 今後は16、18、 20日に開放 (別写真あり)

▲ 順調に生育したワラビが辺り一面に広がる

 住田町のすみた里山を守る会(紺野昭二会長)は15日、下有住字奥新切の蕨峠町有地で「観光ワラビ園」の開放を始めた。里山の丘陵地約2㌶には、3月に実施した山焼きで成長が促されたワラビが一面に広がる。訪れた人々は、丘陵地のさわやかな空気を吸い込みながら、見事に育った〝山の恵み〟の収穫を満喫した。
 守る会は、里山地域の有効活用と環境整備を図ろうと、伝統的な山焼き手法の取得と継承を目指す団体。今年は3月24日に山焼きを行い、安全に歩ける丘陵地に新たな草花や山菜が芽吹く環境を整えた。
 昨年は新型コロナウイルスの影響で一般開放は見送ったが、今年は例年よりも日数を減らしたうえ、マスク着用や受付時の検温、対象を県内在住者に限定するなど感染対策を講じながら開放している。
 初日は天気にも恵まれ、開放直後から多くの人が来場。来場者はビニール袋などを手にしながら丘陵地に入り、「ポキッ、ポキッ」という音とともにワラビを収穫。袋いっぱいに詰め込みながら、青空の下で摘み取りを楽しんでいた。
 紺野会長(76)が「山焼きも順調だったし、気候の関係か、今までで一番生育がいい」と語る通り、丘陵には足の踏み場がないほどワラビが芽吹き、辺り一面緑色に。
 今年で4年目の来場だという佐藤正昭さん(71)=奥州市水沢=は「毎年来るのを楽しみにしている。油で炒めたりおひたしにしたりして食べたい。孫たちも喜んで食べるので、うちに帰って食べるのが楽しみ。たくさん取れたので、近所の人たちにもお裾分けしたい」と話していた。
 ワラビ園は、国道340号から入る県道遠野住田線を約9㌔遠野市方向に進んだ先に広がる。
 今後の開放日は16、18(火)、20(木)の計3日間。受け付けは午前8時30分から、体験時間は同9時~正午となっている。
 参加料は1000円で、2㌔まで取り放題。超えた分は1㌔ごとに300円払う。
 申し込み、問い合わせは同会事務局(町農政課農業振興係、℡46・3861内線235)へ。