高田米崎間道路 6月11日に部分開通 西側の1・6㌔区間 残る0・4㌔は7月末予定

▲ 6月11日に部分開通する高田米崎間道路

 陸前高田市高田町と米崎町を山側で東西に結ぶ市道の「高田米崎間道路」(延長約2㌔)の西側約1・6㌔区間は6月11日(金)午前10時に供用開始する。残る約0・4㌔区間は7月末の開通を予定。市は当初、今月末までの全線開通を目指して整備を進めていたが、天候不良に伴う盛り土工事の遅れで、2カ月ずれ込むこととなった。

 

天候不良で完成2カ月遅れに

 

 21日に開かれた市議会全員協議会で、市当局が同道路の供用開始時期について説明した。
 同道路は、高田地区の高台住宅や県立高田病院、高田小学校前を通る高田北幹線(延長約1・2㌔)の東端から、主要地方道大船渡広田陸前高田線(通称・アップルロード、延長約26・1㌔)西端の間を山側で結ぶ新設道路。市まちづくり総合計画(平成31年度~令和10年度)前期基本計画でも道路整備に関する主要施策の一つに挙げている。
 平成25年度に事業着手。総事業費は約23億円を見込み、国の社会資本整備総合交付金(復興枠)を全額充てる。
 幅員13・5㍍の2車線で、車道幅は片側3・75㍍ずつ。道路両側に幅3㍍の歩道と路肩を設ける(一部片側のみ)。橋梁は浜田川の1基に加え、立体交差する既存路にも1基整備する。
 市は、東日本大震災を教訓に幹線道路の整備などを通じた多重防災型のまちづくりを進めてきた。平成31年4月には、海側から山側へ南北を結ぶ広幅員の主要避難路「シンボルロード」(延長約1・9㌔)が開通した。
 高田米崎間道路が全線開通すれば、アップルロード─県立高田病院間を震災の津波が浸水したエリアを避けてスムーズに移動でき、往来の利便性が大幅に向上する。防災や交流人口の拡大、観光振興などの面でも効果が期待され、通学路としての利用も見込まれる。
 市はもともと今年3月末の開通を目指していたが、道路上の支障物移転などで5月末に延期。アップルロード側の約0・4㌔区間は、4~5月の降雨で盛り土用の土がぬかるみ、乾燥させる期間の確保などで計画通り工事をできなかったため、開通時期が7月末にさらに延びることとなった。