気仙から4人が特別賞 全国海の子絵画展で 地域への愛着を表現
令和3年5月23日付 7面


中井ましろさん

大谷鞍馬君

大森葉月さん

白木澤快斗君
全漁連主催の第43回全国海の子絵画展小学校、中学校の部で、気仙の児童、生徒4人が特別賞に入賞した。それぞれ地元の海や漁港での作業風景などを描き、愛着を表現。大船渡市立吉浜小3年の白木澤快斗君が最高賞の農林水産大臣賞、同5年の大森葉月さんと、陸前高田市立高田東中2年の大谷鞍馬君も最高賞の水産庁長官賞を受賞した。中井ましろさん(吉浜小2年)は農林中央金庫理事長賞に入った。
3人が最高賞
白木澤君の作品は「なめたがれいがつれたぞ」と題し、昨年の11月ごろに友人や家族と船に乗り、大きなナメタガレイが釣れた時の喜びをいきいきとした笑顔で描いた。家に持ち帰り、測ってみると、体長が45㌢あった驚きを画面いっぱいに表現。「カレイの丸い模様の形に気をつけて描いた」と胸を張る。
大森さんのテーマは「かぜむき」。昨年の夏に地元の根白漁港でウニの殻むきを見学した時の様子を描写。ねじり鉢巻きをした漁業者が、鮮やかな茶褐色の身をむいている作業風景を捉えた。「休まず、諦めないで作業していてすごいと思った。おいしそうな大きいウニの身が見えるように描いた」と紹介する。
大谷君の作品は「カキ付けの説明」。昨年、総合的な学習の時間の授業でカキの種付けを体験し、陸前高田市内の漁業者から説明を受けている状況をスケッチ。「(漁業者の)優しい人柄が伝わるように表情を描いた。よく育つように間隔を空けると教わり、どのように育てられているかが分かった」と話す。
中井さんの作品は「ふねにのったよ」。昨年家族で船に乗り、海をのぞいた時の感動を表現。「ウニやワカメなどの海藻がいっぱい見えた」と言い、海で魚や生物が泳いでいる様子をイメージした。
同絵画展は絵を描くことを通じて、漁業に対する理解を深めるとともに、漁業に夢を持った子どもたちを育てることを目的に昭和53年から実施。各都道府県の作品展(令和2年1月~12月までに実施)に全国で計4173点(小学校の部3616点、中学校の部557点)が応募された。
各都道府県の作品展で優秀な成績を収めた作品を対象に、全国絵画展には95点(小学校の部60点、中学校の部35点)が出品され、28点(小学校の部18点、中学校の部10点)が特別賞に選ばれた。気仙勢は、県の両部門で大船渡、陸前高田両市の8人が最優秀賞を受賞。全国に出品された。
新型コロナウイルス対策のため表彰式は行わず、特別賞入賞者に表彰状が送付された。

大森さんの作品「かぜむき」

大谷君の作品「カキ付けの説明」

中井さんの作品「ふねにのったよ」