豊作願い田植え作業 気仙小児童も参加 酔仙「多賀多」の原料米(別写真あり)

▲ ほ場で苗の植え付け作業を行う児童ら

 陸前高田市に本社を置く酔仙酒造㈱(金野連社長)は25日、同市気仙町今泉地区の水田で特別純米酒「多賀多(たかた)」の原料となる米の苗植えを行った。気仙小学校(佐藤健校長、児童55人)の5年生8人と教員も加わり、おいしい地酒のもととなる米が多く実るよう、秋の豊作を願いながら作業にあたった。
 「多賀多」は、平成17年の市政施行50周年に合わせて造られた商品。地元の米、水、人によって造られることをコンセプトにしている。
 例年、地元の小学生を招いての田植えが行われるが、昨年は新型コロナウイルスの影響により中止。今年は2年ぶりに子どもたちも参加した。
 好天に恵まれたこの日は、ほ場を管理する今泉復興農事組合(菅野勝組合長)の佐藤直志さん(87)らの指導のもと、約10㌃に「ひとめぼれ」を作付けした。
 はだしで田んぼに入った児童らは、柔らかな泥の感触に明るい声を響かせながら、受け取った苗を丁寧に植え付けていった。菅野真輝君は「苗をまっすぐ植えるのは難しかったけど楽しかった。秋には金ぴかに光る稲穂になってほしい」と期待。
 酔仙酒造の村上雄樹総務課長(44)は「今年は子どもたちの歓声を聞くことができてうれしい。子どもたちのエネルギーをもらった丈夫な米を使って、私たちも一生懸命酒造りを行いたい」と力をこめた。
 秋には稲刈り体験も予定。収穫される米を使った「多賀多」の仕込みは来年1月後半から始まり、商品出荷は3月初旬を見込んでいる。