安全確保へ歩道新設を 下壺地内の国道340号2カ所に 地元自治会が県に要望へ

▲ 歩道新設を求める区間の現場を確認する部落会役員

 陸前高田市竹駒町の下壺部落会(宍戸勝弘会長)は、交通上の危険箇所として、同町下壺地内の国道340号の2カ所に歩道を新設するよう、管理者の県に求めている。6月にも竹駒町、横田町全域などから集めた署名と要望書を、県沿岸広域振興局長に提出する。

 

過去には死亡事故も発生

6月に提出 署名活動も展開

 

大型車のすれ違いが困難となっている

 同会が歩道設置を求めているのは、気仙川支流の壺の沢川の上を通る「壺の沢橋」区間の約10㍍と、同橋より南側の十数㍍区間の片側2カ所。ガードレールが設置されているため特に道路脇の歩く幅が狭く、地権者に了承を取ったうえで整備箇所に掲げた。
 今年1月の同会総会で要望書提出を決め、署名は4月下旬から始めた。当初は下壺、上壺の壺の沢地域に限定して集める計画だったが、地域外の人も多く利用することから、竹駒、横田両町の全域に拡大し、住田町の一部事業所にも協力を呼びかけている。
 国道340号は同市と内陸を結ぶ主要な幹線道路で、交通量の多い路線の一つ。一般車だけでなく、大型車も頻繁に走行し、沿線には住宅や事業所が立ち並ぶ。
 平成29年には、道路を横断中の高齢者が車に引かれる死亡事故が発生。同会によると、約40年前には未就学児が亡くなる悲惨な交通事故も起きたという。
 大型車同士のすれ違いが困難で、地元の小中学生に加え、高田高、住田高に通う高校生も登下校時に徒歩や自転車で同路線を通る。道路付近にごみステーションがあり、同会の一人は「手に持ったゴミ袋が車道上にはみ出し、道路脇をカニ歩きのように横向きで歩く人もいるほどだ。ドライバー側も恐怖を感じながら走っている」と警鐘を鳴らす。
 地元の板林さつ子さん(75)は「毎日のように散歩するが、白線すれすれで歩くのがおっかない。みんなが使う道路なので、なんとかしてほしい」と話す。
 署名は現在、約1800人分を集めた。今月末までに回収し、その後、県大船渡土木センターを訪れ、提出することとしている。
 宍戸会長(69)は「歩道の新設は地域にとって切実な願いで、可能であれば一日も早く工事を始めてほしい。子どもからお年寄りまでたくさんの人が利用し、走行量も多い。安全のために真剣に考えないといけない」と強調する。