新型コロナウイルス/気仙3市町 ワクチン接種3000回突破 高齢者開始から1カ月 施設関係者中心に

▲ 公共施設を会場とした集団接種も本格化(26日、大船渡市民体育館)

 気仙で高齢者向けの新型コロナウイルスワクチン接種が始まってから1カ月が経過し、3市町による接種回数は28日までに計3000回を超えた。4月下旬以降、各市町とも高齢者施設利用者・従事者から始まり、一般高齢者向けの集団、個別接種も本格化。1回目の接種から3週間を迎え、2回目の動きも広がる。各機関では、これまでの接種状況を踏まえ、よりスムーズで効率的な接種に向けた工夫を重ね、早期完了と64歳以下への移行を目指している。

 

個別、集団各会場も本格化


 大船渡市によると、今月28日現在で1回目の接種を終えたのは少なくとも1508人で、2回目は375人。合わせて、1883回の接種を終えた。
 市内の65歳以上高齢者(昭和32年4月1日以前生まれで、住所を有する人)は、1万3000人余り。安定供給には時間を要する見込みで、クラスター(感染者集団)の発生など、感染まん延の危険性を低減させるため、先月26日から高齢者施設の入所者と従事者の先行接種に入った。
 1回目を終えたうち、高齢者施設の利用者・従事者は1100人。3週間の間隔を経て、2回目の接種も進む。
 今月24日からは、14医療機関での個別接種が順次スタート。各機関独自のタイミングで始め、接種実施日や時間帯の詳細もゆだねている。少なくとも、250人以上が1回目の接種を終えた。
 盛町の市民体育館を会場とした集団接種は26日に第1回が行われ、会場従事者を含む156人を対象とした。次回は6月1日に予定し、現段階で7月29日(木)までの日程が固まっている。
 陸前高田市では、今月28日現在で、高齢者施設の先行接種は653人、各診療所での個別接種は222人、高田町の保健福祉総合センターを会場とした集団接種は120人に行った。いずれも、1回目の接種となっている。
 市内の65歳以上高齢者は約7300人。先行接種は、高齢者施設7施設の入所者約300人、職員約300人の計約600人が対象。接種は17日に始まり、6月中の接種完了を予定している。
 市内医療機関7施設による個別接種は24日以降、順次始まり、集団接種は27日に開始した。完了は7月末を目指している。
 住田町では今月27日現在、施設入所者・従事者の計173人と、一般高齢者の138人、医療従事者1人の計312人に接種。全員が1回目の接種となっている。対象となる町内の65歳以上高齢者の対象は約2400人。
 多くの自治体では接種券が届いてから、電話やインターネットで予約する方式だが、同町では無駄のないワクチン使用と接種者の効率的なバス送迎を行うため、あらかじめ町側で接種予定日を指定。会場から遠い行政区から順に進めている。
 3市町の状況をみると、集団、個別とも当初は、可能回数を見極めるため、1日当たりの接種人数を抑えた形で設定。接種開始後、スムーズに運営できる見込みが立ったことから、接種規模を拡大するなど可能人数を増やす動きが広がる。
 早期完了を目指している一方、ワクチンの確保にはめどが立っていることから、各市町では「あわてずに、キャンセルが生じないよう接種予約や手続きを行ってほしい」と呼びかけている。