好調です貸館利用 おおふなぽーと  過去2年間を上回る実績続く

▲ 住民や各種団体の幅広いニーズに対応しているおおふなぽーと

企業のオンライン会議でも

住民団体活動も定着

 

 大船渡市大船渡町の市防災観光交流センター(おおふなぽーと)は本年度に入り、会議室や多目的室などの貸館利用件数が、過去2年間を上回る実績で推移している。新型コロナウイルスの影響が続く中、無線LAN機能のWi─Fi(ワイファイ)を生かしたオンライン会議など「新しい利用」が広がるほか、住民活動でも定着が進む。感染防止のため利用者数を通常の半数程度に制限した形での運営が続くが、今後も多彩な活動を支える。

 

 おおふなぽーとは、東日本大震災で被災した大船渡駅周辺地区の「防災学習、観光交流情報の発信、市民交流の場づくり」を目的に整備。平成30年6月に全館オープンした。
 1階には観光案内所があり、2階の交流・貸館スペースには会議室や自習スペース、和室、多目的室、展示室を備え、数人での交流や通常時は最大50人程度の会議まで幅広く対応。各部屋をつなぐ「コラボストリート」もあり、多様な活動を後押ししてきた。
 指定管理を担い、1階に事務所を構える市観光物産協会によると、今年4月の貸館対応は156件で、5月は177件。昨年は新型ウイルスに伴う緊急事態宣言で閉館措置がとられ、4月はゼロ、5月は14件だった。一昨年との比較では、4月は19件、5月は25件それぞれ上回った。
 件数増を後押ししているのは、ワイファイを生かしたオンラインイベントの利用。一昨年にはなかった動きで、企業の会議でも積極的に使われている。比較的利用料が安価で、集いやすい中心市街地に構える立地の良さに加え、一定の人数であれば密を避けた状態で過ごせることなどから、好評を博しているという。
 NPO法人おはなしころりんに委託している2階の市民等交流事業も活発に展開。各種住民団体の利用も増えて定着がうかがえ、同協会では「新型ウイルスの感染予防と、各種活動を両立させる活用がコンスタントに出ている」ととらえる。
 一方、館内の利用者数は4月が2753人、5月が2839人。一昨年はともに5500人余りで、ほぼ半減した。館内は新型ウイルス感染防止のため、通常よりも利用者を半数に抑える形での運営を続けている。
 全館オープンから3年目となった昨年度の総利用者数(令和2年4月〜3年3月)は2万7079人で、前年比で63・6%減。貸館は1647件で、21・4%下回った。4月から5月にかけての臨時休館や利用人数制限の影響が大きかった一方、貸館件数だけをみると、昨年度後半は回復傾向が見られた。