三陸・大船渡 夏まつり 花火大会と海上七夕は実施へ 規模縮小して2年ぶりに 実行委総会で方針決定

▲ 2年ぶりの開催を目指す三陸大船渡夏まつり(一昨年の様子)

 三陸・大船渡夏まつり実行委員会(委員長・齊藤俊明市観光物産協会長)は7日、令和3年度総会を盛町の大船渡商工会議所で開催し、本年度の同まつりは花火大会と海上七夕船団パレードのみに規模を縮小して行う方針を決めた。日程は、8月6日(金)と7日(土)の2日間。新型コロナウイルス感染防止のため、昨年は中止しており、2年ぶりとなる。茶屋前岸壁内を有料として人の流れを管理するなど感染防止策を講じ、夏の大船渡に活力を呼び込む。

 

8月6、7日の日程で

 

 実行委員会は市内の行政、事業所、警察、消防、各種団体の関係者らで構成。総会開催は2年ぶりで、約40人が出席した。
 あいさつで齊藤委員長は、例年総会を5月に開催していることに触れながら「慎重に本年度の計画を検討してきた」と説明。
 そのうえで「一日も早い新型ウイルスの影響収束を願っている。『開催ありき』ではなく、きたんのない意見をいただきたい」と述べた。
 議事では令和元年度の事業報告と収支決算、昨年度の事業報告について審議し、いずれも承認。引き続き、本年度の事業計画案と収支予算案の協議に入った。
 事務局は本年度の夏まつりについて、花火大会と海上七夕船団の運行パレードに絞った開催を提案。8月6日午後6時~8時に大船渡湾内で海上七夕船団の湾内巡航を実施。7日は同6時から茶屋前岸壁内大船渡丸特設ステージでの開催式に続き、同7時30分から大船渡湾内で8000発を打ち上げる花火大会を行い、大船渡・海を愛する会による海上七夕湾内巡航パレードと〝競演〟する。
 出席者から異論は出ず、本年度計画を原案通り決定。齊藤委員長は「すばらしい夏まつりにして、まちに活気を生んでいきたい」と述べ、協力を呼びかけた。
 今後の市内外の新型ウイルス感染状況によっては、中止する場合もある。開催に向けては、県が示す「イベントの開催制限等の考え方」や、市新型ウイルス感染症対策本部が示す目安を参考としながら、感染防止策を徹底する。
 マスクの常時着用に加え、手洗いや消毒場所の確保も徹底。海上七夕船「大船渡丸」が接岸する茶屋前岸壁内や、須崎川河口部の旧南町公民館付近を実行委独自の管理エリアとする。
 エリア内では、1人1000円程度で入場券を事前販売して人数を管理するとともに、入場者の氏名や連絡先を把握する。例年、実行委員会が設けている露店スペースは設けず、食べ歩きをしないよう周知。キャッセン大船渡などで開催される他団体の各種イベントでも、距離の確保や感染防止策を促す。
 一昨年実施した市民道中踊りに加え、「ナイアガラの滝」と称した市民協賛花火、無料シャトルバスの運行、茶屋前岸壁付近での余興・演奏は行わない。同岸壁付近での〝密〟を避ける運営体制をとる。
 夏まつりは「海のまち・大船渡」を代表する一大イベント。東日本大震災が発生した平成23年は中止されたが、24年に再開後は復興の歩みを発信する役割も果たしてきた。
 また、昨年度、大船渡商工会議所が所有する海上七夕船「大船渡丸」のステージ屋根常設化をはじめ改修事業が行われた。今回の夏まつりが、電飾を施した状態では初の〝お披露目〟となる。
 規模は縮小されるが、気仙で行われる恒例の夏まつりイベントの中では数少ない開催となる。市内では、盛町の「灯ろう七夕」の中止が決定。陸前高田市の「うごく七夕」「けんか七夕」、住田町の夏まつりもそれぞれ、昨年に続き実施を見送る。