有住中が最高位の特選に 全日本学校関係緑化コンクールで 長年の森林学習継続評価され(別写真あり)

▲ 森局長が岩角校長㊧に賞状を伝達

 住田町立有住中学校(岩角聖孝校長、生徒27人)が、令和2年度「全日本学校関係緑化コンクール」学校林等活動の部で最高位となる特選(農林水産大臣賞)を受賞した。10日に同校で伝達式が行われ、県や町の関係者らが同校が長年にわたって続けてきた森林環境学習をたたえ、町が目指す「森林・林業日本一のまち」への弾みとなるよう期待も込めた。
 同コンクールは、学校林などを計画的・組織的に活用して児童・生徒の緑化に関する教育、林業体験、体験学習等に顕著な教育効果を上げている学校を表彰するもの。国土緑化運動の推進を図ろうと実施しており、各都道府県から推薦された学校を公益社団法人・国土緑化推進機構が委嘱した審査員からなる中央審査会が審査。学校林活動の部においては小学校、中学校、高校それぞれで特選、準特選(国土緑化推進機構会長賞)、入選(同機構理事長賞)を決める。
 表彰式は5月に島根県で開催された第71回全国植樹祭で行われる予定だったが、新型コロナウイルスの感染対策として規模を縮小して代表校受領となった。
 伝達式は同校で開かれ、全校生徒、県沿岸広域振興局の森達也局長、横澤孝副町長、菊池宏教育長、町教委、県職員らが出席。
 はじめに、森局長が岩角校長に賞状を伝達。森局長は同校の各種活動を紹介しながら「全国の模範になると評価されたもの。今後、ますます活動が発展していけば」と長年の活動をたたえた。
 このあと、苗木の生産を手がける今野俊朗さん(54)=下有住=が講演。同校の卒業生でもある今野さんは、学校林設置当初から現在までの経緯や背景を紹介し、「何十年も続けられて日本一の活動になった」と受賞を喜んだ。
 受賞の言葉では、生徒会長の佐藤倭君(3年)が「地域創造学の中で、自分たちのまちの森林について深く学んできた。周りに森林がある環境に感謝しながら、先輩たちの引き継いできたことをこれからも意識してお互いに高め合い、自分のため、まちのために学習を続けたい。有中自慢の授業でもあるので、大切にしながら頑張っていきたい」と森林学習の継続・発展を誓った。
 同校は、昭和57年に学校林を整備。以降、「青少年の林業に対する理解を深め、地域に根ざした森林環境教育の充実を図るために、有住中学校の生徒が整備します」とする学校林経営方針に基づいて生徒自身が間伐を行い、林業の現状と課題を考える機会を創出している。
 平成22年度からは森林環境学習として、1年生が種山ヶ原での森林体験学習、2年生が林業体験、3年生が木材産業見学に取り組んでおり、29年度からはこれらが独自教科「地域創造学」に引き継がれている。
 こうした取り組みが評価され、本県としては平成8年以来、24年ぶりとなる農林水産大臣賞に輝いた。