22人が〝希望の道〟つなぐ  東京五輪の聖火リレー きょう、気仙両市で開催

 「希望の道を、つなごう。」をコンセプトに掲げた東京2020オリンピック聖火リレーは16日、岩手県で始まった。2日目の17日は岩泉町から大船渡、陸前高田両市を含む沿岸8市町村の公道を走行する。気仙両市のリレーには3市町在住の11人を含む22人が参加し、宮古市、大槌町を走る気仙のランナー2人とともに、〝希望の道〟を聖火でつなぎながら、東日本大震災発生から10年を経た被災地の今と、復興支援に対する感謝の思いを発信する。

 

宮古、大槌には各1人参加

 

 国内でのオリンピック聖火リレーは3月25日、福島県楢葉町でスタート。開会式が開かれる7月23日(金)までの121日間で47都道府県を巡る計画で、39道府県目の岩手県は今月16~18日(金)の3日間、住田町など5町村を除く28市町村で行われている。
 岩手の聖火ランナーは、初日と2日目が87人ずつ、最終日は102人の計276人。このうち、気仙在住者は大船渡市が4人、陸前高田市が7人、住田町が2人の計13人で、全員が17日のリレーに臨む。
 同日は岩泉町から、田野畑村、宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市を経由し、陸前高田市がゴールとなる。
 大船渡市では午後6時、大船渡町の夢海公園を出発し、サン・アンドレス公園までの延長2・42㌔を11人で走る。ランナーには、大船渡市の3人と陸前高田市の2人のほか、大船渡市出身で平成4年のバルセロナオリンピックに男子バレーボール日本代表として出場した栗生澤淳一さん(56)も含まれる。サン・アンドレス公園ではミニセレブレーションが開かれ、市内の最終ランナーを迎える。
 陸前高田市では、同7時12分に高田松原津波復興祈念公園内の奇跡の一本松をスタート。同市の4人、住田町の2人を含むランナー11人で、高田町のアバッセたかたまでの同2・45㌔をリレーする。アバッセたかた駐車場では、聖火到着を祝う「セレブレーション」(当選者のみ来場可)が行われる。

新沼正寿さん

星 優希さん

 気仙からはこのほか、大船渡市猪川町の新沼正寿さん(46)が宮古市を、陸前高田市矢作町の星優希さん(31)が大槌町を走る。
 釜石市内の郵便局に勤務する新沼さんは、震災当時、陸前高田局に勤務。全国各地からの災害郵便を届ける業務に当たったといい、「全国の皆さんから応援をいただいたが、いつかその恩を返したい気持ちがずっとあった。沿岸部を走ることで、いくらかでも応援への感謝の思いを発信したい」と力を込める。

 星さんは、高田町の指定就労継続支援B型事業所・あすなろホームに勤める。震災当時は大学生で、実家は津波による床上浸水の被害を受けた。国内外からの支援を肌で感じたといい、「震災から10年がたち、聖火リレーで感謝の気持ちを持って走りたいと思っている。スポーツの楽しさも伝えたい」と意気込む。
 新沼さん、星さんを含む気仙関連のランナーは別表。走行場所は、各区間のリレー開始30分前に公表される。
 聖火リレーに合わせ、大船渡市内は同5時20分~6時50分、陸前高田市内は同6時30分~8時20分に交通規制を行う。規制時間帯の迂回(うかい)路は、大船渡市が国道45号やサン・アンドレス公園より南側の県道、陸前高田市は国道340号や中心市街地北側の市道。大船渡線BRTは、奇跡の一本松駅と陸前高田駅で、乗降場所を変更する。
 気仙両市とも、リレー直前のルート付近での駐車は避けること。自転車や歩行者の通行も規制されるため、現場の警察官や係員の指示に従うよう求めている。沿道で観覧の際は、新型コロナウイルスの感染予防に配慮するよう呼びかけている。