東京五輪盛り上げよう 聖火台模した作品展示 工事業者が廃材で制作

▲ 東京五輪を盛り上げようと、復旧工事の廃材を使って制作された作品

 気仙両市を巡る17日の東京五輪聖火リレーに合わせ、東日本大震災の災害復旧工事の廃材を使い、聖火台を模した作品が、陸前高田市米崎町の工事現場事務所に設置された。同市の復旧・復興へ最前線で業務に当たってきた作業員の手作り。「復興五輪」に位置づけられた大会を被災地から盛り上げようという思いを込めた。
 同町の脇之沢漁港海岸災害復旧工事を請け負う東亜建設工業㈱・㈱菊池組・㈱共立土木特定共同企業体(JV、宇佐美克則所長)が、同町西風道の現場事務所駐車場の一角に設置した。
 長さ約5㍍、高さ約2㍍のベニヤ板に、5色のビニールテープを巻いた円形(直径約90㌢)の水道管を五輪マークのように取り付けた。「復興五輪」「がんばろう日本」という応援メッセージも貼った。
 板の裏に組んだ足場の上に手作りの聖火台を設置。大きさは直径約60㌢、高さ約90㌢で、屋外用の鉄網ゴミ箱にプラスチック製ネットを巻いた。送風機も置き、風に吹かれた赤色のスズランテープで聖火台にともる火を表現した。
 震災後、世界中から被災地に寄せられた支援への感謝の気持ちを伝えようと、日本国旗に加え、約30カ国の国旗も掲げた。
 同JVは平成28年3月から、震災で被災した脇之沢漁港海岸の防潮堤整備を進めている。最大で約180人の作業員が現場で汗を流し、延長約1・8㌔の防潮堤が今年5月上旬に完成した。事業は9月末までで、工事用の仮設道路撤去などを予定している。
 設置は8~9月ごろまでの計画。午後6時~8時にはライトアップも行っている。
 宇佐美所長(48)は「新型コロナウイルスに負けず、オリンピックとパラリンピックを被災地の工事現場から盛り上げたいという思いで制作した。気仙地区でも機運が高まればうれしい」と期待している。