空き家有効活用を支援 新たに助成金制度創設 「危険除却」にも補助

 大船渡市は、昨年度策定した市空家等対策計画に基づき、新たに「空き家改修工事補助金」と「危険空き家除却工事補助金」を創設した。空き家の利活用促進とともに、放置による景観悪化を防ぐもので、空き家改修では最大100万円、危険空き家の除却では50万円を助成。7月1日(木)から申請を受け付ける。
 改修工事補助事業は、利活用を促進し、中古住宅の流通や地域の活性化を図るとともに、生活環境の保全や移住・定住の促進につなげるもの。市の空き家バンクを利用して売買契約や賃貸契約した住宅の改修工事(30万円以上)を市内施工業者が行う場合、利活用の目的に応じて費用の一部を助成する。
 地域交流や福祉、子育て支援、教育関連、観光商業関連の事業を行う場合、上限額は100万円。居住用としての活用は同50万円で、いずれも補助率は2分の1。3年間の事業継続、居住を求め、市外からの移住者が居住する場合は75万円が上限となる。
 危険空き家の除却工事補助は、管理不全で周辺に悪影響を及ぼしているか、その恐れがある空き家の解体などを支援。居住用の空き家のうち、使用実績が1年以上なく、倒壊や部材の落下・飛散などの危険があり、周辺に悪影響を及ぼしている建造物の除却工事費に対して助成する。
 空き家の所有者か、相続人が対象。建物すべてを除却する工事が対象で、上限額は50万円となっている。
 いずれの補助金も、工事契約前に申請し、交付決定を受ける必要があるほか、令和4年2月末までに終える工事が対象。申請希望者は事前に相談するよう求めている。
 受付期間は7月1日~12月28日(火)で、予算がなくなり次第、受け付けを終了する。問い合わせは住宅管理課の庶務・空家等対策係(℡27・3111内線324、325)へ。
 市が元年度に行った実態調査によると、市内の空き家件数は653件。大船渡町が126件と最も多く、次いで三陸町越喜来が99件、末崎町が63件──などとなっている。
 4段階の老朽危険度別による状況では「危険は認められない」が246件。一方で「全体に危険が認められ、放置すれば、危険性が高まると考えられる」は118件に上る。
 同計画は令和11年度までを期間とし、対象は市内全域。基本方針は▽発生の抑制▽適切な管理の促進▽利活用の促進▽管理不全な空家等の解消──に分類。発生の抑制では、所有者の責務や相続登記の必要性などの広報に力を入れ、自主的・適切な管理促進や有効活用、管理不全な空き家等の問題解決推進などを描いている。
 両補助金制度の概要は別掲。