コロナ禍からの再興を 市観光物産協が総会 本年度の会費は半額免除
令和3年6月24日付 1面
一般社団法人大船渡市観光物産協会(齊藤俊明会長、会員130人)の令和3年度通常総会は23日、盛町の大船渡商工会議所研修室で開かれた。2年度事業報告や3年度事業計画などを審議し、いずれも原案通り決定。本年度は新型コロナウイルスで深刻な打撃を受けた観光再興に向けた1年と位置づけるほか、昨年度は全額免除としていた会費は半額免除とする。
本人出席、委任状、書面議決で計89人が出席。齊藤会長は仙台―八戸間がほぼ全線開通を果たした三陸沿岸道路に触れ「観光客が増える地域、横ばい、減少と格差がはっきり出てくるのでは。大船渡の魅力を磨き、経済を盤石なものにしたい」と述べた。
来賓の戸田公明市長は祝辞で、市内では65歳以上を中心に新型ウイルスのワクチン接種が進み、8300人超が1回目の接種を終えた現状を報告。さらなる接種推進に理解と協力を求めた。
議事では2年度の事業報告に続き、収支決算を承認。3年度の会費や事業計画、収支予算、理事選任も原案通り可決した。
事業報告によると、昨年度は新型ウイルス感染防止のため、市内外でのイベントや各地での観光客や教育旅行誘致説明会の中止、旅行会社訪問などの自粛により、情報発信機会が大幅に減少。その中でも、市の宿泊観光事業「大船渡に泊まってHappy!大作戦」の運営業務を受託し、宿泊施設などの利用促進を図った。
協会独自でも、新型ウイルスの影響収束後を見据えた魅力づくりの一環として「旅行満足度を向上させる観光セミナー」を開催し、市内飲食店のテークアウト情報の発信にも取り組んだ。また、本年度限りでの観光振興支援員制度終了に伴い、今年4月1日付で8人を正職員として任命した。
昨年1~12月の観光客入込数は前年比45・5%減の43万328人、宿泊者数は同38・0%減の13万1480人、外国人観光客数は同92・1%減の105人に。一方、教育旅行者入込数は県内の児童生徒利用が目立ち、前年比12・1%増の4859人となった。
本年度は「裾野が広く、総合産業と言われる観光の回復こそが、市内経済の活性化に寄与する」との考えから、コロナ禍で打撃を受けた観光再興に取り組む方針。「ヒト」の魅力に根ざした観光地づくりの推進に向けて「名物ガイド」「観光サポーター」の育成などを進める。
これまでと同様、観光情報発信事業に注力。碁石海岸インフォメーションセンターや三陸鉄道各駅の観光センター、おおふなぽーとの管理運営事業も担う。
昨年度は新型ウイルスの影響を鑑み、会費徴収を見送っていたが、本年度も影響が長期化していることから「半額免除」とする。約100万円の損失が見込まれるが、経費節減や各種手数料収入で補うとしている。