飲食事業者に最大20万円支給へ 7月上旬から申請受け付け 市議会定例会で補正予算など9議案可決

▲ 新型ウイルス感染症対策費を盛り込む本年度一般会計補正予算などを可決し閉会

 陸前高田市議会定例会は25日、最終本会議が開かれ、新型コロナウイルス感染症対策費を盛り込んだ本年度一般会計補正予算など9議案を原案通り可決し、閉会した。コロナ禍の長期化で業況の悪化に苦しむ飲食事業者に対し、最大20万円を支給する独自支援の実施を決め、7月上旬の申請受け付け開始を予定する。今夏にはプレミアム商品券の販売を昨年度に続いて行い、地域経済活性化を図る。


 可決されたのは、予算等特別委(蒲生哲委員長、議長を除く全議員で構成)に審査付託された条例案4件、補正予算案4件の8件と、この日追加提案された補正予算案1件、議員発議1件。条例案は国保税条例や固定資産評価審査委員会条例の一部改正など。
 一般会計補正予算は、定例会初日の提出分が歳入歳出ともに3億5254万円を追加するもの。コロナ禍に伴う生活困窮者自立支援金の給付関連費460万円を盛り込む同補正予算が追加提案され、補正後の歳入歳出総額をそれぞれ187億5652万円とした。
 主な歳出は▽プレミアム商品券事業3700万円▽広田湾産水産物販売促進補助金1800万円▽飲食事業者支援金1200万円▽コロナ禍での避難所運営に備えた備蓄食料費394万円▽高齢者施設支援金340万円──など。新型ウイルス対策費は、13事業計1億790万円を計上している。
 飲食事業者支援金の対象は、平成31年1月から今月までの期間中、開業月の翌月から起算した年間事業収入(12カ月分)が100万円を超えている飲食事業者。12カ月に満たない場合は、開業月を除いた月平均事業収入が8万3333円を超えているのが条件。
 支給額は、午後8時以降も営業している場合が20万円で、それ以外が10万円。飲食70事業者程度への支給を見込む。
 申請の受け付けは7月5日(月)の開始を目指し、期間は同月30日(金)まで。受付場所・時間は市役所4階の商政課で、午前9時から午後5時15分まで。
 市内消費を促すプレミアム商品券は昨年度同様、プレミアム率を過去最大の50%とし、1セット7500円分を5000円で販売する。発行数は前回より5000セット増の1万1000セット。夏の販売開始を見据え、関連業務を委託する予定の陸前高田商工会と販売方法などを検討していく。
 高齢者施設への支援金は、各施設が実施している感染予防対策費用を補助しようと支給する。入所者数70人以上が50万円、70人未満が30万円で、10施設に計340万円を支給する見込み。近く申請を受け付け、7月中の支給を目指す。
 7月からは、コロナワクチンの接種会場までの新たな移動支援策として、タクシー費用の助成も始める。市内のどこからでも片道500円で接種会場まで移動できる。
 対象は、保健福祉総合センターを会場とする集団接種、または市内医療機関での個別接種の予約をした人で、かつ運転免許を持っていないか、車やバスなどを利用できず移動に困っている人。助成実施期間は9月末までで、事業費は300万円を計上。800人程度の利用を想定している。
 議員発議1件は、東京電力福島第一原子力発電所のアルプス処理水処分に関し、風評被害の払しょくや水産業振興を求める意見書。提出者は総務(中野貴徳委員長)、教育民生(蒲生哲委員長)、産業建設(鵜浦昌也委員長)の3常任委で、提出先は衆参両議院議長や内閣総理大臣など。