上有住地区公民館に栄誉 県知事賞など受賞 木材利用優良施設コンで

▲ 県知事賞に選ばれた上有住地区公民館

 住田町の上有住地区公民館が、本年度のいわて木材利用優良施設コンクール(県、県木材需要拡大協議会主催)で最高位となる県知事賞(優秀賞)と、県木材需要拡大協議会会長賞を受賞した。同公民館は今年3月に完成し4月から供用が開始されている。関係者は受賞を契機として、地域に親しまれる施設としてよりいっそうの活用へと期待を込める。
 同コンクールは、木材利用のいっそうの推進を図るため、利用分野の拡大や特色ある木材利用を行う施設などを対象に優良な事例を表彰するもの。
 新公民館は、旧施設の老朽化に伴って建て替え。町内のスギやカラマツ、アカマツを材料に使用するとともに、気仙大工の伝統工法も生かした。設計は㈱パーシモンヒルズ・アーキテクツ(神奈川県)、施工は㈱佐賀組(大船渡市)・㈲坂井建設(住田町)特定共同企業体が担った。
 設計に当たっては、地域の景観や特性を踏まえたデザインを採用。隣接する住田町民俗資料館は地域内の貴重な資源で、多世代の住民に愛されていることから、同館を中心とした配置と立面を計画。敷地入り口から見た際に、民俗資料館の象徴性が高まるよう、視界に公民館がかぶらない配置とした。
 デザイン性だけでなく、地域の木材を持続的かつ有効活用を見据えるなど、随所に凝らされた細かな工夫も評価された。
 町内の公共施設としては、役場庁舎、特別養護老人ホームすみた荘、大船渡消防署住田分署に続く四つ目の中大規模木造施設で、官民問わず、町全体を挙げての木造施設振興の意識が醸成されてきている。
 同コンクールでは町内において、平成27年に役場庁舎が県知事賞と全国表彰での林野庁長官賞、29年にはすみた荘が県木材需要拡大協議会特別賞、全国で木材利用推進中央協議会会長賞、30年に住田分署が県知事賞をそれぞれ獲得している。
 上有住地区公民館は今後、全国コンクールにも進むことが決まっており、関係者も入賞に期待を込めている。
 町教育委員会では「地域の皆さま、関係者各位のご尽力によってこの度の表彰を受けることができた。引き続き、地域の生涯学習の拠点として大切に活用し、地域に愛される、親しまれる施設にしていきたい」としている。
 県知事賞は上有住地区公民館のほか、グランドセイコースタジオ雫石(雫石町)、道の駅たのはた(田野畑村)が、協議会会長賞は同館と道の駅たのはたがそれぞれ受賞した。
 協議会会長賞の表彰授与式は30日(水)に盛岡市の農林会館、県知事賞の表彰授与式は12月に同市の県民会館で開かれるいわて農林水産躍進大会席上で行われる予定。