梅雨空に銀鱗キラリ 気仙川でアユ釣り解禁  約500人が来訪 (別写真あり)

▲ 解禁初日は多くの愛好者が気仙川に訪れた(住田町)

 陸前高田市と住田町を流れる気仙川で1日、アユ釣りが解禁となった。あいにくの曇り空となったが、解禁を待ち望んでいた釣り人たちが竿を伸ばし、当たりの感触を楽しんだ。梅雨空の下、初夏の気仙川は活気に包まれ、川面に銀鱗がきらめいた。
 「アユの宝庫」として知られ、毎年7月1日の解禁日には内陸部からも多数の愛好者が訪れる気仙川。解禁を前に稚アユの放流事業を展開しており、今年は海中・河川合わせて約18万5000匹を放した。
 昨年は、解禁初日に600人を超える入漁者があり、好調な滑り出しとなったが、その後は冷水病とみられる症状が発生して8月上旬以降の釣果は厳しく、気仙川にとっては不漁のシーズンだった。
 同日は、薄暗い午前4時の解禁前から、県外ナンバーを含む車両が川沿いに並んだ。解禁時刻を迎えると、釣り人たちはあらかじめ狙いをつけていたポイントへと足を運び、釣り糸を垂らして当たりを待った。
 気仙川漁協によると、初日の遊漁者は約500人。毎年、解禁日に訪れているという遠野市の浅沼弘光さん(67)は、5人の釣り仲間とともに住田町世田米の瀬音橋からやや上流のポイントで釣行。「気仙川は型もいいし数も釣れるので、シーズン序盤はほぼ毎日来ている。今年も型はまずまず。まだ水が冷たいので、これから気温が上がってくれば数も釣れるようになるのでは」と期待していた。
 一方、世田米の田ノ上橋のたもとで竿を振るった奥州市江刺の佐々木嘉春さん(50)は、「解禁日に気仙川に来たのは初めて。県内外の河川に行くが、気仙川はアユの型がいい。水量もちょうどよくて釣りやすかった。今後は天候に恵まれて水温が上がってくれれば」と話していた。
 大船渡市を流れる盛川のアユ釣りは、4日(日)午前4時解禁となる。